二口君フタ取って。【二口堅治】

episode3 ページ4

「怒られちゃったな。」






「ねー」






案の定授業には遅刻。授業始めに前で怒られた。

怒られ慣れていない私に取っては恥ずかしかったけど二口君はなぜか慣れている。
そんなに怒られてそうな人じゃないのに。



「鎌先さん以外の人に怒られるのなんか慣れねーな。」




「鎌先さん？」





誰だろう…。先輩かな？




「三年生だよ。部活の先輩。」





「ああそうなんだ。」




二口君もしかして問題児？
普段の様子からはそんな風には思えない。

部活ではやんちゃなのかな。


かわいいかも。




「あ！二葉！」


思い出したように二口君は言い出した。





「なーに？」





「LINE交換しようぜ！」





「私で良ければ…いいよ。」





おぉ…。恋愛歴皆無な私の友達リストに初めて異性の連絡先が追加された…。





「ありがとな。二葉の名前″フタ″にしとくわ。」







「もうフタは忘れて…。」







いつまで弄られるんだろう。









「二口君部活って何やってるの？」







「バレー部だよ。」







バレー部って…あのバレー部ですか？


うちは一応強豪校として知られている…はず。







「すごいね。バレー部って結構強いよね。」







「まぁ…そこそこ？」






「控えめに言うのね…。」





今日初めて友達になったばかりなのにこんなに話せるようになるとは思っていなかった。

二口君のコミュ力が高いのが主な理由だけど、私でもこんなに異性と話せるなんて驚いてる。


なんで好きな人できたことないんだろ。



　

思い返せばなんとなく異性苦手と思って過ごしていた学生生活が長い気がする。


自分を変えるにはやっぱり一歩踏み出すきっかけが大事なんだなあ。









「二葉、」







「なに？」



，




，




，







「今日部活オフだから。放課後寄り道してかね？」









二葉A、本日異性に初めて遊びのお誘いをいただきました。

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