百六九 ページ19
大手裏剣です。最早完結できる自信が無いです…そうなったらすみません…
＿＿＿＿＿＿＿＿
「どこ行くんですか！高虎さん！先生が…」
「人の心配より自分の心配したらどうですか」
確かにそうだ。これから命を取られようとしているのは荒川澄香である。
高虎は腹が立つ。自分のことを大切にしようとしない荒川澄香に。そして、決心のつかない自分に。
「っ…だって、独りなんですよ私。帰るところもないし、もう私は生きているのも駄目なんです！
私にどうしろって言うんですか！？頼れる人も、もう傷付けたくないんです！」
荒川澄香は藤堂高虎の胸ぐらを掴み、叫ぶ。いつもの貼り付けたような表情ではなく、目に涙が溜まって今にも溢れそうだ。
頼れる人。荒川澄香にとってこの時代では1人しか居ない。
高虎は直ぐにAだと気づく。彼女はいつもあの人の話ばかりするのだ。親子かのように。
「貴方は生きたくないのですか」
「生きたいです。だって私まだ誰の役にも立ってない、誰にも必要とされてないから」
随分と弱々しかった。いつの間にか胸ぐらを掴んでいた手も震えて、ぐずぐずと泣いている。
言葉を返したい。俺には必要だ、と言ってしまいたい。
「姫、」
「もう姫じゃないですよ高虎さん」
高虎は勢いに任せて、荒川澄香の肩を掴んだ。彼女は思わず驚いて腰を抜かして、倒れるところだった。高虎はすぐに荒川の身体を支えるが、そのまま押し倒してしまう。
高虎はもう言ってしまえ、と顔をあげると目の前に彼女の顔があり思わず狼狽えたが、直ぐに決心する。
「澄香様、俺は貴方は…お慕いしております」
「…は？」
何を言っているのか分からないように荒川澄香は呆然としながら、赤面する。が、高虎の方は彼女よりも顔が赤い。
「…いや、高虎さん。お、奥さんいるでしょ」
「はい、分かっています。そうだとしても、俺は」
「もう言わなくていいですから…」
つまり側室に迎えたい、と言っているのだ。荒川澄香は特に藤堂高虎に対してそういった意識をしていなかった。なんなら、この時代の誰にも。
勘違いしてしまいそうになる、こんな追われているときに、ほとんど押し倒されたような状態で堰を切ったように熱烈な愛を告白される。なんとも思っていなかったはずなのに、心臓はうるさい。
いつものようにヘラヘラ笑っていられなかった。
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momosui(プロフ) - これで4週も読み返してしまいました(笑)ほんっっとに最高です！！！続編、楽しみにしてます！(*^^*) (2023年3月23日 19時) (
レス) @page37 id: d7576d8f53 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - シウさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます😭 歴史好きな方に読んで頂けて嬉しいです…実はこそっと完結してました笑 続編もよろしくお願い致します！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - ルンバさん» 最後まで読んで頂きありがとうございました！中々更新が不定期でしたのでお待たせしてしまいました…本当にギャグだったはずなんですけどね…！時代が時代なので仕方なすびと心に言い聞かせ続けて書きました笑 続編近日公開予定です！またよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 町谷。さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！私も少し寂しいですよ〜戦国時代オタクなので笑 続編公開近日中に決まりました！是非またよろしくお願いします😌 (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - Lu__A09さん» 最後まで読んで頂きありがとうございます！そんなに経っていたんですよ…続編はちょこっと辛抱かもしれませんが、また完結目指して頑張ります！続編そろそろ公開予定です！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助（元大手裏剣）
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2020年8月16日 18時
