文化祭 ページ47
1日目。
発表2時間前の教室内は混雑していた。
「次こっちのヘアアレンジお願い！」
「早く着替えて！メイク出来ないから！」
身なりを整えるのにより時間のかかる女子が動き回る中、衣装とヘアセットを終えた男子は教室の端で少し肩身の苦しい思いをしながらその様子を見守っていた。
「はい、一条さん終わり！待って我ながら自信作！」
衣装を身にまとったことはあっても、ヘアセットやメイクアップは当日だけ。
準備が完全に終わった状態になるのは初めてだった。
172cmという女子の中では高身長の彼女は言うまでもなく手足が長い。それに加えてバランスのとれたスタイルに整った顔立ち。
同性である女子からも彼女の姿に感嘆の声があがった。
「あっ！一条さん。この看板持って廊下回ってきて！凛と一緒でいいから！」
と目を引く彼女の姿を利用しないわけにはいかない！と言うように実行委員から指示が出たため
「…正直並びたくないわ」
と苦笑いを浮かべる凛と共に廊下に出る。
いつもより歩きにくい廊下に多くの人が訪れていることを感じる。
「体育館でダンスやります！来てね！」
と、呼びかけるのは凛の仕事。凛はこういった仕事に向いている。それをわかった上で実行委員は2人を一緒に廊下に出したのだ。
「あ、一条さんじゃん。」
人混みの中、確かに聞き覚えのある声が後ろから聞こえ振り向く。
そこには、及川と岩泉の姿があった。
中学時代、自分から関わることは少なかったものの学年の中では有名なコンビで二人が一緒にいることに対しての疑問はないが、なぜわざわざここに？という疑問は残った。
「こんにちは。楽しんでね」
疑問はあるもののそれだけ返し、また廊下を進む。
「え、あれ青城の人達だよね？何？知り合
い？」
「同じ中学だっただけ。ほら、いこ？」
一言で表現するAに、少し違和感を感じたものの
「うーん、やっぱりイケメンだったなぁ…」
と呟きまた宣伝を始める凛の気遣いにAは感謝の気持ちを抱いた。
そして、それと同時にインターハイ予選での彼の言葉がふと頭をよぎる。
「高校でも『貴族様』やってるの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
璃音(プロフ) - のりちゃさん» ありがとうございます！最近なかなか書こうと思えなかったのですが、やる気が出てきました…！がんばりますね！ (2020年6月2日 0時) (
レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
のりちゃ - 好きです。。。｡いつも更新されるたびニヤつきながら読んでます。。最後まで楽しみにしてマスゥゥ (・0・*)ﾎ (2020年5月31日 8時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 鳴瀬さん» コメントありがとうございます。既に大体の構成は出来ているのですがなかなかの長編になりそうな予感です。是非最後までお付き合い下さい！ (2020年5月7日 1時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - いつも、楽しく読ませてもらってます。体調に気を付けながら、更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月3日 0時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 是非コメント等お願いします！ (2020年4月28日 21時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃音 | 作成日時：2020年4月13日 2時
