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…
インターハイに海外での講習会。
周りの人がそれぞれに何かに挑戦しているのを見て内田凛は焦燥感に駆られていた。
高校の夏休みにそれほど大きなことに挑戦している者のほうが世の中全体としては少ないように感じるものだが、そのような人々に囲まれてしまったためその現実に気づけないまま焦りだけが募っていく。
「私がやりたいことって、なんだろう。」
その問いは彼女がずっと避けていた問題でもあった。
大好きだったダンスも部活を辞めてからは趣味でアイドルグループやSNS上に上がっているもののダンスをコピーして踊る程度。最近ではそれだけでは物足りなくなってしまい手をこまねいている状態だった。
この夏、何をするか。終業式が終わった帰り道。いつものように分かれ道までAと歩きながら話していた。
「Aはなんで渡米？ご両親に会いに行くの？」
そう軽く聞いたものの
「それもあるけれど、本命はマーケティングの講習会なの。」
「えっそれって英語で受けるってこと…？」
「そうなるかなぁ。でも、日本と海外で制度が違うものもあるから現地で学べてラッキーって思っちゃえばそのくらいはなんとかなったの。」
彼女の言葉にやっぱろ違うんだなぁ、という寂しさとそれとはまた違う感情が沸いていた。
夏休みに入って一週間。今ならわかる、あの時に抱いていた感情は寂しさと嫉妬だ。海外にひょい、と行ける経済力。講習を英語で受けることにさえ前向きな学習意欲。やりたいことをもっているということ。自分にはないものばかりで嫉妬していたのだろう。単なる憧れだったのが仲良くなったことで嫉妬へ変わっていきそうだった。
憧れが嫉妬に代わっていると気づいて凜はバシッと自分の頬を力いっぱい叩いた。努力を重ねている人に何もしていない自分が嫉妬するのはおかしい。心を入れ替えろ！嫉妬するくらいなら。少しでも彼女に近づくための努力をしたい。何か夢中になれることを探して、目標のために努力したい。
もう一度目を閉じて自分に問う。
「私が、やりたいことは何？」
彼女は長い間閉じていた目を開けた。少しだけ、少しだけ景色がいつもよりきれいに、クリアに見えた。
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璃音(プロフ) - のりちゃさん» ありがとうございます！最近なかなか書こうと思えなかったのですが、やる気が出てきました…！がんばりますね！ (2020年6月2日 0時) (
レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
のりちゃ - 好きです。。。｡いつも更新されるたびニヤつきながら読んでます。。最後まで楽しみにしてマスゥゥ (・0・*)ﾎ (2020年5月31日 8時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 鳴瀬さん» コメントありがとうございます。既に大体の構成は出来ているのですがなかなかの長編になりそうな予感です。是非最後までお付き合い下さい！ (2020年5月7日 1時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - いつも、楽しく読ませてもらってます。体調に気を付けながら、更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月3日 0時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 是非コメント等お願いします！ (2020年4月28日 21時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃音 | 作成日時：2020年4月13日 2時
