ノブレス・オブリージュ【牛島若利】

＊ ページ5

帰宅すると直ぐに私服に着替え、また家を出る。


習い事へ向かうためだ。日本舞踊、ピアノ、英会話、3つの習い事は平日に1日置きにある。



高校入学までは平日は5つの習い事でいっぱいだったが、流石にそれだと高校の勉強は手が回らないということで減らしてもらったのだ。



世の中には習い事をしたくても出来ない人がいる。習っているからにはそんな人達のためにも全力を尽くす。真剣に取り組む。



勿論向かうのが憂鬱な事もあるし上手くいかず嫌になることもある。



でも、習わせてもらってるからには言い訳をせずとにかく努力するしかないのだ。私なんかに期待してくれてる親や周りの人のためにも。


習い事から帰ると、大抵19時を過ぎる。
両親が海外で働く今、この家に住むのは私一人だ。習い事がない日は自炊するのだが、流石に19時を過ぎて自炊する気にもなれず習い事のある日は夕ご飯を買って帰る。



お弁当を温めてる間にふと、今日のことを思い返す。


明日はきっと男女出席番号別の席に切り替わるだろう。そうなると隣は牛島くんであろう。



後ろに座る女の子はどんな子だろうな。少し明日が楽しみだ。







牛島くんに天童くん。

もっと明日は話せるといいな。なんて、思ってみたり。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す