ノブレス・オブリージュ【牛島若利】

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少し遠くから凛と天童くんが瀬見くんを連れてやってくるのが見える。


「…何がそんなにおかしいんだ？」


と少し自分で考えたのか、時間をあけてから不思議そうに聞いてくる彼に、謝罪の言葉と気にしないように声をかけると眉間に皺をよせながらもその話題から離れてくれた。



「おーい、連れてきたよ！撮ろ！」



という彼女の声に4人で並び、大平くんの合図とシャッターが切られる音がする。



「写真、どう？確認させて〜」


と覗き込んだ凛のえっ！？という声にまたしても一同で画面を覗き込んだ。


そこには、珍しく声をあげて私と不思議そうな牛島くんが写っていた。

「ちょっ！えーたくん盗撮？」


「ちげぇよ！お前らに急かされて移動中にカメラ立ち上げてたからたまたまタップミスかなんかで撮れたんだろ！」


「えーAのこんな笑顔初めて見た、これどういう経緯よ？」


と凛からも責めよられちょっとね、と濁した。


そこで先生からの呼び掛けがかかり慌てながら移動を開始する。

先に行った凛を追いかけようとするとポン、と肩を叩かれ振り向いた。






「さっきのような笑顔の方が、いいと思うぞ。」



そう珍しく微笑みながら告げてまた歩き出した彼。





早く追いかけようと思ったのに、残念。
こんな顔じゃまだ歩き出せそうにない。

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