ノブレス・オブリージュ【牛島若利】

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LHRはすぐに終わり、元の席に戻る。

さっきまでの騒がしさとは無縁の席についた。


私が席に戻ると周りの人が話すのを辞めることも少なくはないので申し訳なく思う。


別に騒がしいのが嫌いな訳では無いのにな、と思うがそれを伝えるのも少し嫌味に感じられるかと思うと口に出せない。



凛は今日、早速班長会議があるらしく久しぶりに一人で帰ることになる。

先に帰っていいよと言ってもある時から何故か待ってくれるようになったのだ。



一条さんさよならっ、という声が聞こえてきたため反射的に笑顔でさようなら、と返す。



凛と話しながら帰っているときはなかなか声をかけられないから、このやり取りも久しぶりだな。そう思いながら帰路についた。


一人で帰るのは当たり前なはずだったのに久しぶりだと少し物足りないような感じがする。


学校から帰ると、母から電話がかかってきた。


『もしもし、Aさん？』


『はい。どうなされましたか？』


『お願いがあって……』




電話が切れると、ふっ、と息がこぼれた。

失礼な言動はしていなかっただろうか。

久しぶりに声を聞けたことに少し舞い上がってしまった。



母の願いのためにも、今日は習い事の後に本屋に寄って帰ろう。そう決めて家を出る支度を始めた。

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