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…
正直に言って、試合は圧勝だった。
印象に残るのはやはり、2年生ながらも俺がエースだ、と言わんばかりの牛島くんのスパイク。
プレーをしている時も一切表情が変わる素振りは見えなかったが、普段よりか少し、楽しそうに見えた。
「うーん、流石白鳥沢。今年も勝ったねぇ」
「明日おめでとうって伝えなきゃね。」
体育館を後にし、折角あつまったのだからと少し浮かない顔をした凛に昼食に誘われた。
特に断る理由もなく、駅の近くのカフェに入る。
「ねぇ、A。修学旅行さ班に誰誘う?」
注文したメニューが届いたところで凛が深刻そうな顔をして口を開いた。
あぁそうか。白鳥沢学園の2年生は中間が終わり、期末テストまで期間があるこの時期に修学旅行がある。
場所は決まっているものの班などは全く決まっていない。しかし修学旅行まではあと3週間もない。きっと週明けすぐに班決めがあるだろう。という凛の予想だ。
「私とAが同じ班なのは当たり前としてさ、問題なのはここからなの。班は4人以上で組むのが絶対条件な訳だけど…」
彼女曰く、中学の時の女子は牛島くんと同じ班になろうと決める時間になったら彼の席に群がっていたという。
しかし今回は牛島くんと同じだと天童くんがセットでついてくることから無闇に班に引き入れようとはしないだろう、との事だ。
「あのさ、そういう訳で牛島と天童誘ったらみんな顔見知りだしまぁ楽しめると思ったんだけど…どうかな?」
「うーん、私は別に凛と一緒ならいいよ」
「本当?…引いてたりしない?嫌だったら言ってね?」
どちらかと言えば思い立ったらすぐ行動派の彼女が変に身長で、多少の違和感を覚えた。
「な、何に対して?」
「いや、中学の時にさ、関わりが今まで無かった女子とグループ組むよりか交流がある男子と組んだ方が楽だしいいかなって思って女子3人男子3人とかのグループを組んだら反感買っちゃったことがあって…」
「あはは、なるほど。まぁそういう時期だもの。高校生にもなれば流石に大丈夫なんじゃない?凛は別に男性に関わりたいからそうした訳じゃないんでしょ?楽しみたかっただけで」
「その通り。私は楽しいことが大好きだからね。まさかそれだけで男好きよばわりされるとは…」
「じゃあ、そういうことで。修学旅行楽しみね」
そうだねっ、と笑った凛の顔は店に入った時よりすっきりしていて私の大好きな笑顔だった。
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璃音(プロフ) - のりちゃさん» ありがとうございます!最近なかなか書こうと思えなかったのですが、やる気が出てきました…!がんばりますね! (2020年6月2日 0時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
のりちゃ - 好きです。。。。いつも更新されるたびニヤつきながら読んでます。。最後まで楽しみにしてマスゥゥ (・0・*)ホ (2020年5月31日 8時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 鳴瀬さん» コメントありがとうございます。既に大体の構成は出来ているのですがなかなかの長編になりそうな予感です。是非最後までお付き合い下さい! (2020年5月7日 1時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - いつも、楽しく読ませてもらってます。体調に気を付けながら、更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月3日 0時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 是非コメント等お願いします! (2020年4月28日 21時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃音 | 作成日時:2020年4月13日 2時