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駅までの歩いてる中
「美味しかったねぇ〜」
と能天気そうに笑う天童。
ほんとにAの料理は美味しかった。
「Aちゃんってさーあれだけ何でもできて顔も性格も家柄もよし!って女子の中で妬みの対象にならないのー?」
「おい、天童っ!」
それを内田に聞くのか、とたしなめる瀬見。
「Aのことなら心配無用だよ?」
そう切り出しあの時のことを話す。
始業式から2週間がたとうとしていたその日。いつもの様にAと途中まで一緒に帰ろうと声をかけた。そのときAは
「ごめんね、今日はちょっと用事あるから先帰ってて」
珍しく用事があるらしく断られた。
今日は本屋にでも寄って帰るか。そう思い校門をくぐった所でスマホの不在に気づいた。
「教室だ…戻るの面倒だなぁ…」
憂鬱になりながらも教室に戻るとそこには一軍女子佐藤さんとAがいて、
「佐藤さん、ダンス部ってもうすぐオーディションなんでしょ?部活の時間大丈夫?」
「そうなの…って時間やば!早く終わらせなきゃ!」
「私、先生から書類受け取る予定で待ってるんだけどまだ時間かかりそうだから日誌代わりに書こうか?」
「え!いいの!?一条さん神なんだけど…」
「あっ、教室の鍵だけ返しておいて欲しいな」
「更衣室行く時に職員室通るからその時返しとく!ほんとありがとう〜!」
そう言って教室から走って出ていった佐藤さんと入れ違いで私は教室に入った。
「用事ってこれだったの?」
「ふふ、お昼休みの時に日直なの忘れてて部活に遅れちゃうなもって騒いでたの思い出しちゃって」
余計なお世話だったかな、とはにかむような笑顔を見せる彼女。この子は本当に人のために動ける優しい子なんだなぁと感じた
誰に対しても優しくするあの子は妬みの対象、というよりか一目置かれた存在なのだ。
「…っと、そういうこと。しかも日誌を代わってあげるだけじゃないの。もし日誌も鍵もAがやると佐藤さんが押し付けたみたいになっちゃうでしょ?だからあえて半分任せることで佐藤さんが仕事やってたってことも証明するわけ。ほんと気遣いできる子だよね。」
「ふーん。そうなんだぁ、というか!凛ちゃんがそこまでAちゃんのこと考えてるのがびっくりなんですけど!」
そう言う天童と言い合いをしていたらすぐ駅に着いて私は一人、改札を通る。
寂しそうに笑うAの心からの笑顔が見たいものだなぁ。そんな思いで電車に揺られた。
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璃音(プロフ) - のりちゃさん» ありがとうございます!最近なかなか書こうと思えなかったのですが、やる気が出てきました…!がんばりますね! (2020年6月2日 0時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
のりちゃ - 好きです。。。。いつも更新されるたびニヤつきながら読んでます。。最後まで楽しみにしてマスゥゥ (・0・*)ホ (2020年5月31日 8時) (レス) id: f0ef8aefa1 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 鳴瀬さん» コメントありがとうございます。既に大体の構成は出来ているのですがなかなかの長編になりそうな予感です。是非最後までお付き合い下さい! (2020年5月7日 1時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - いつも、楽しく読ませてもらってます。体調に気を付けながら、更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月3日 0時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 是非コメント等お願いします! (2020年4月28日 21時) (レス) id: 2ce0920262 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃音 | 作成日時:2020年4月13日 2時