07#欠片と金剛石 ページ9
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プログラムの補正をし、
完成させたAはユーリに自宅まで付き添われ、帰って来た。
『ユーラチカ、今日はありがとう』
「別に。お前と滑るのも楽しかったし。
こっちこそ、ありがとな」
『ふふっ、また今度ね!』
「おう」
ドアを閉めた途端、Aのスマホが着信音を奏でた。
表示されているのは【
『ヴィーチャ?』
「Hi! A、今から荷物を詰めて俺の家に来てよ」
『……どういうこと?』
「君、ユーリ カツキのこと気にしてたよね?」
『あぁ、うん。結構前から、面白いなって。
あ! あの動画見たの?』
「勿論!! 俺もあれにはビックリしたんだ!
これから日本に行こうと思うんだけど、どうかな?」
『えっ!? 日本に!?』
無類の日本好き。
ヴィクトルはそれをよく知ってる。
『行きたい……!!』
行きたいものは行きたいんだから仕方ない。
うん。仕方無いと思うんだ。私はね。
「カーチャとアリスに断りは入れるんだよ」
『ママとパパに? うん、話しておく』
「決まりだね。OK貰ったら、折り返し電話貰えるかい?」
『うん、する』
「じゃあ、後で」
急いで両親へ電話をする。
そして、概要を話すと難もなく許可が下りた。
「ヴィーチャとなら心配ないさ。
ゆっくりしてきなさい」
『うん、パパありがと!!』
ヴィクトルに折り返し電話をすると、
私は荷物をまとめ、彼の家へ向かった。
『ヴィーチャ』
「スケートの荷物も持ってきた?」
『うん。
ヴィーチャの考えてること何となく分かったから』
「ふふっ、さすがAだね。じゃ、行こっか」
という訳で、日本に行くことになった。
目的地は“長谷津”。
勝生勇利のところ。
「セシル、お前もか!!」
『いつものことだよ。
プログラムは出来たし、後は精度を上げる。
私の演技はリリア仕込みだし、心配しないで!』
「……」
『ちゃんと考えてるよ。私は負けない。何があっても』
ヤコフは無言でそっぽを向いてしまった。
『違う環境で少し刺激を受けたい。
和が、SPの題だし、其処を深めたい』
「……ヴィーチャ、勝手にしろ」
「じゃ、A。行こう」
戻ってきたらこっぴどく言われるんだろうなあ。
(A、衣装はカーチャに頼んだのかい?)
(ん? あ、FSの方はね。SPのは自分でやってるの)
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作者名：化野燎 | 作成日時：2017年6月11日 19時
