検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,411 hit

02#追求しない訳 ページ4

-


解熱剤を飲んでしばらく休んだAは、

ある程度回復したらしく、バンケットに姿を現していた。




『ユーラチカ』


「んだよ」


『私、自分で歩けるよ』


「ヤコフが倒れて怪我でもしたら困るっつってんだよ。

 大人しく車椅子乗っておけ」


『……ダンスしたかったのに』


「もうしばらく休んどけよ」




ユーリに車椅子を押され現れたAに誰もが驚いた。

そして、わらわらと集まってくるスケート仲間。




「A、どうしたの!?」


『ミラ……』


「コイツ、熱あんのに試合で最高得点出しやがった」


「え、そうだったの!? もー、無理しないでよ!」


『もう平気だよ。薬飲んで熱は下がったから』




Aはそう言って笑うと、ミラの手を握り返した。

そして、彼女と別れるとユーリが飲み物を手渡した。




「飲むだろ」


『うん、ありがと』


「ふん……」




すると、ヴィクトルが姿を現した。

Aの車椅子の高さに合わせて屈んだ。




「具合はどうだい?」


『おかげさまで。ねえ、ヴィクトル。

 他の人も話したそうにしてるからそっちに――』




その言葉は言いきる前に止められた。

ヴィクトルの手がAの顎を持ち上げていた。




『ひっ……』


「俺はAと話したいんだよ。

 プログラムの話も聞きたいな」


『えっ、あ、うん……わ、分かった』




すごい勢いで写真を撮られている。

Aは辺りに目を回せなかった。




「端に避けるぞ」


「ユーリは他のとこに行っててもいいよ」


「はぁ!? お前とAのこと二人に出来るかよ」


「少しだけだから」


「チッ……」




Aが他の選手と話している間に、

ユーリはいつの間にかいなくなっていた。




『あれ……? ユーリは?』


「少し外して貰ったよ」


『そう』


「……ねえ、どうして4回転に挑戦しないんだい?」


『ヤコフがダメって言ってるのもそうだけど、

 私はクワドが無くても今こうして勝てるもの。

 ヴィクトルは知ってるでしょ?

 私、“負けない”から』


「ふふっ……そうだね」




二人が知り合ったのはAがもっと小さな頃。

ユーリより一足先にスケートを始めていたA。

幼い頃から突出していたAはすぐに目に留まった。




「本当に、君は掴み所がない」




(A〜!)
(クリス!)
(ドレス似合ってるよ。ウサギも可愛い)

03#君の手取り足取り→←01#瑞花の赤染



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:ユーリ!!!onICE , YOI , ヴィクトル   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:化野燎 | 作成日時:2017年6月11日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。