初雪：センラ ページ32
.
寒さで目が覚めた。今日は一段と気温が低い。布団から出たくない気持ちと戦いながらのそのそと服を着替えてカーテンを開ければ辺り一面銀世界。
急いで寝ているセンラくんをたたき起こす。文句？そんなの全部聞こえません。
「起きて起きて。」
「…どないしたん。ていうかめっちゃ寒いんやけど。今日何度…？」
眠そうに目をこすりながらふわぁとひとつあくびを漏らすセンラくんに雪だよ、と告げる。
「ゆきぃ？そら寒いわ…。」
「初雪だよ初雪！積もるかな？」
積もったら電車困る、なんてつまらない返事をして時計を確認してまだ寝れるわ、ともう一度布団を被ってしまうセンラくん。センラくんは京都で見慣れてるかもしれないけど私の地元は九州南部で雪なんて滅多に降らないから雪を見るとテンションが上がってしまう。
「ねぇ、センラくんってば…。寝ちゃった…？」
つまらないの、と窓を開けて手のひらをそっと外に出せばひんやりと雪が手に乗ってすっと溶けてしまう。つめたい。
「ちょ、寒い。」
布団から出てきたセンラくんに後ろから抱きしめられて部屋の中へと戻される。ちゃんと窓はセンラくんの手によって閉められた。髪の毛が首に当たって少しくすぐったい。
「ごめんね？雪見るとついついテンション上がっちゃって。」
「んー、後でまだ雪降っとったらココアでも飲みながら部屋の中で雪見でもしよか。」
「お花見みたいな感じ？何それ初めて聞いた。」
でも楽しそう。毛布にくるまってセンラくんの隣でココアを飲みながら雪を見る、なんてとっても贅沢。
「俺も初めて言うた。…そのためにも起きるか。ふわぁ…、」
初雪は家の中で毛布にくるまって。
＊＊＊
ツイッターのリクエストでいただきました「センラさんと初雪を見る」でした。作者は滅多に雪が降らない地域なので昔は雪が降るとテンション上がってましたが今となっては寒いだけｗ
リクエストありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 435人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼(プロフ) - ち ひ ろさん» 読んでくださりありがとうございます◎ご意見ありがとうございます！かしこまりました、前作よりは少なくなるかと思いますが夏代さんのお話も書きますね！ (2021年3月7日 21時) (
レス) id: a03714d678 (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - はじめまして！コメント失礼致します。蒼さんの書かれる短編集のシリーズがだいすきなのですが、「夏代さんのお話を書き続けるか迷う」と仰っていたのを見て、少し寂しく感じました。夏代さんのお話とっても需要あります！どうか書き続けていただけると嬉しいです…！ (2021年3月7日 3時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - しおさん» コメントありがとうございます。はい、その順番で正解です◎たまにはこの書き方もしようかなと考えていますのでまた楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年2月18日 11時) (レス) id: 2815c5e2b6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Naoさん» 楽しんでいただけて嬉しいですありがとうございます。はい、その順番が正解です。当てていただけたようで何よりです…！！ (2021年2月18日 11時) (レス) id: 2815c5e2b6 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - クイズみたいで少しワクワクしたので、コメント失礼します！上から島、船、坂田、浦を担当してる方かな〜という感じです。2，3番は即決でした笑 そして今回の書き方、微笑ましさをより感じやすい書き方な気がします、総じてかわいいなあって。私的にはこれもありです！ (2021年2月17日 0時) (レス) id: be68d3699e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
