Notes【短編集】

何の日？：そらる ページ40

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　ただいま、と打ち合わせを終えて帰ってきたそらるの手にはなぜかケーキの箱。…今日何かあったっけ。記念日、でもないし誕生日、でももちろんない。

　「なんでケーキ？」

　「んー…何でだと思う？」

　「はぁ…？」

　意味が分からない。もしかして私が忘れてるだけで今日何かの日だっけ？それとも私が買ってきたスイーツそらるが食べてその謝罪とか？…減ってなかったと思うけど。


　もやもや考えながら作った晩ご飯は少し焦げた。理由を言わないそらるが悪いということで気にしないことにしてお皿に盛りつける。

　「それで、なんでケーキ買ってきたの？」

　「この前美味しそうって雑誌見ながら言ってたじゃん。」

　「…わざわざ買ってきてくれたの？」

　確かに言ってたしそういえばそのお店のロゴ入ってた。…言われるまで気付かなかったけど。

　「打ち合わせの近くの店だったしそんなに混んでなかったから。」

　「…ありがと。」

　…そんな考えで買って来てくれたのに、晩ご飯焦がしちゃってごめんね。内心で謝っておこう。ついでに拝んどこ。

　「…なんかバカなこと考えてるでしょ。」

　「…なんのことやら。」


　晩ご飯の片付けも終えてお皿にケーキを移す。…めちゃくちゃ美味しそうだし、写真で見てたよりもキレイ。

　「うわ、美味しそう…。」

　「どっちでも好きなの選びな。俺残った方でいいから。」

　「…迷う。」

　どっちも美味しそうなんだよなぁ…。季節のフルーツタルトとブルーベリーとベリーが乗ってるチーズケーキ。

　「…半分こする？」

　「する！ありがと！」

　「はいはい。」



　何の日でもないケーキ。


***
　友人からいただきましたリクエストで｢なんでもない日にケーキを買ってきたそらるさん｣でした。
　リクエストありがとうございました！

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