Notes【短編集】

電話で：そらる ページ21

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　終業式も終わって、学校に行かなくなれば始業式が始まるまで会わない同級生たち。

　年末の掃除や、学校から出された課題をしながら買い物に行くという家族に着いて車で近くのショッピングモールに向かう。本でも買おうかな、と１人行動。

　「あ、」

　「あ、そらるくんだ。バイト？」

　「今日は休み。」

　クラスメイトで、色んなバイトをしてるなんて聞いたことがあるそらるくん。こんなところで会うとは思ってなかった。

　「課題どんな感じ？」

　「ぼちぼちかな。レポート系は全く。そっちは？」

　「私は理数系苦手だからそっちが全く進んでない。雪凄いし友達に教えてもらうのも大変だから自分でやらないとなんだけどね…。」

　文系は出来るんだけど、数字見てたら頭痛くなってくる。ずっと文章読んでたい。教えてもらえないから自分で頑張らないといけないけどほんとに分かんなくて白紙になりそう。

　「じゃあ、教えようか？」

　「え、」

　「かわりに英語教えてよ。」

　「助かる！けど、場所どうするの？」

　図書館とかだと行けないことは無いけどお互い行くまで寒いし雪が凄いし。

　「電話は？課題一緒だからページ数と問題番号言ってくれれば解説できると思う。」

　「あ、確かに。賢いね…。」

　同級生の男子と、電話するの初めてだ…。クラスが一緒だからラインはグループにあるから分かるけど連絡しあうのとかもそらるくんは初めてだなぁ。

　「じゃあまた、日程連絡して決めよ。」

　「分かった。お世話になります。」

　「こちらこそ。じゃあ、良いお年を。」

　「そらるくんも、良いお年を。」

　ばいばい、と手を振って目当ての本屋に向かう。小説買おうと思ってたけど、英語の参考書にしようかな…。聞かれたこと、答えたいし。




　冬休みの電話。


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