Notes【短編集】

ケーキ：うらたぬき ページ18

.


　ただいま…と元気なく帰ってきたうらたんにお疲れ様とリビングから声をかける。今日も寒かったしリハーサルも連日あって大変そう。明日から２日間ライブもあるし。

　「腹減った。」

　「ケーキ作ってたのに。」

　「あれはあれ。今はAの作ってくれた料理食べたい。」

　嬉しいこと言ってくれるじゃん、なんて笑いながら冷蔵庫から料理を出してレンジで温める。帽子を取ったうらたんの髪色が明るいピンクでなんだかまだ見慣れない。言ったことないけど黒髪の方が好きな私としては何とも言えない髪色。似合っているけどねもちろん。

　「今日はクリスマスだからちょっと頑張ってみた。クリスマス系じゃないけどね。」

　「天才。」

　鳥と豆腐の卵あんかけ生姜入り。明日がライブだからと思ってとりあえず喉にいいものメイン。鳥入ってるところがちょっとだけクリスマス、かもしれない。

　「うまそ…。」

　「召し上がれ。」



　「一応ケーキもあるけど食べる？」

　「食べる。」

　メンバーと作ったケーキも食べたのに家でも食べるのね。私としてはもちろん嬉しいけど。

　「じゃん、今年はタルト作ってみました。」

　行事ごとがあるときくらいしか作らないお菓子だけど、今回は結構上手にできた。今のところはアイシングクッキー作れるようになるのが目標。

　「うわ、すご。めちゃくちゃ美味そう。」

　「ありがと。どのくらい食べる？」

　「とりあえずこんくらい。」

　うらたんの手が動いたくらいの大きさに切ってお皿に移す。私も食べよ。残りは明日ライブを見ながら食べようっと。

　「毎年ありがとな。メリークリスマス。」

　すっとうらたんが取り出した小さな紙袋。開けてもいい？なんて聞きながら中身を取り出せばハンドクリーム。

　「いつも助かってるありがとう。」

　「こちらこそ。」



　今年は一緒のクリスマス。

＊＊＊
　質問箱で頂きましたリクエスト「うらたさんとクリスマス」でした。リクエストありがとうございました！

一緒に：志麻→←記憶に残る：志麻

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す