君をさがしてた。episode3 …2 (ページ49)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:3,720,291 hit

⑤-17 ページ49

17

「遅くない…

…私は？
私も、歩み寄りたいって思ってたの、今さら遅い？」

広臣「遅く、ない。」

それを聞いてカタン、と静かに立ち上がったA。
俺たちの間にあった二つ分の距離をゆっくりと埋めて、すぐ隣の椅子に再び腰を下ろす。

「…今まで、素直になれなくてごめんなさい。

あなたは私の元彼とは違う、もっともっと素敵な人。
歌声も、ファンや仲間に対する思いやりも、尊敬できる素敵な人です。

私は、ビビリで、真実を見ることより逃げることを選んでしまった欠点だらけの子供です…

でも、これからは、あなた自身とちゃんと向き合うから、だから…

こんな私を仲間として受け入れてくれますか？」

近くで聞こえた、ゆっくりと心地よい大好きなAの言葉に、必死に保っていた表情が崩れる。

広臣「っ、ああ…」

肩を震わせ短く返事をした俺の拳に、Aはそっと優しく手を重ねた。

「これからも、よろしくお願いします。」

今までずっと握りしめてた手の力がフッと抜けて、応えるように俺もAの手を優しく掴むと、

ずっと待ちわびてたAの暖かい体温をそこに感じて、3年越しの想いが喜びの涙となって溢れ出た。

青の熱情～3年越しの二人～完

.