��-15 ページ47
15
広臣「違うの？」
ほんと？
「半年くらい前に、私の胸ぐら掴んだこと、覚えてますか？」
広臣「覚えてる…」
怒りをぶつけた俺に 過呼吸になって気を失ったA。今ならわかるけど、あれはフラッシュバックだったんだろうな。
広臣「あの時は、ごめんな？」
俺の謝罪に ふるふると首を振る。
「あれは…私も悪かったです。意地になって具合悪いの隠してたし、それに、それまでの私の行いに 登坂、さんの怒りが爆発したんですよね。」
広臣「……」
「あの時までは、あなたの中に 元彼を見てました。」
広臣「ずっと？」
「わりと、ずっと。」
今は平気な顔して言ってるが、それがどれだけキツかったかと考えると…
「それまでメンバーと話すこともなかったし、メンバー一人一人がどんな人なのか…ちゃんと見て来なかったから」
本当の俺を見ることも出来ずに 元彼を重ねてたと。
「…でもこの半年間で、メンバーと向き合ううちに……
苦手だと思ってた人たちの 本当の部分が見えて来たんです。
皆、一人一人違うなりに ここまでやってきた仲間だから、向き合ってみれば 意外とすんなりと心を通わせることが出来ました。」
それを語るAの顔には少しだけ笑みが浮かんで、それがどれだけ彼女にとって嬉しいことだったのかがわかる。
「パフォーマーとの会話が増えて、その中によく、ボーカルの2人の話題もありました。」
広臣「俺らの？」
「はい。」
広臣「え、どんな？」
「んー、直人さんはよく、今市さんの寝癖の話とかしてて…あと イビキが凄いとか。
剛典は2人とラジオやると必ずその感想を聞かせてきましたし、
健二郎さんは、登坂、さんの引越しの時 夜呼び出されて配線繋ぐ手伝いした事とか楽しそうに話してました。
他にも色々、私が知らない2人のこと、私に教える気とかは全然なくても…楽しそうに、
皆 2人のこと大好きなんでしょうね。」
そんなこと、思ってもみなかった。
Aのことがあって険悪になってたから、パフォーマー達の間では俺たちの事は話さないみたいな空気になってるのかと。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1715人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「LDH」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月22日 22時
