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「…んとうは……、
…本当は。
なんで私なの？って思ってます。
百合根記者が登坂、…さんのファンって事はわかってたけど…
なんで私の過去が晒されなきゃいけないの？って。
なんで、私が脅迫されて…
しぬまで追い詰めてやるなんて、言われなきゃいけないんだろう。
大切なものを失う脅威に晒されなきゃいけないの？
私、百合根さんに……貴方に、何かしましたか？
そりゃ、生意気だって言われ続けて、
登坂、さんの気に触るような振る舞い沢山してきたんだろうけど…でも、ここまでされなきゃいけなかったのでしょうか…？
私のした事って、貴方にとってはこれ程の罪でしたか？」
Aの静かな怒りが、俺に向かってくる。
理不尽に気丈に立ち向かってたAの本音が、俺を目の前にして溢れ出したような そんな感じだった。
広臣「Aは、何も悪くない。」
「……」
広臣「今回のことは俺が全部、」
「そんな言葉が、聞きたいんじゃないです…」
必死に謝ろうとした俺の言葉を遮ったAに、少しだけカチンと来た。
広臣「…は？、何が言いてえの？」
「…、……、
純粋に嫌われてると思ってたんです。
でも、
なんで？
ずっと心に引っかかってるんです…
だったらなんであんな優しく、笑えたの？
…仕事だったから？
仕事だと割り切ってたら、嫌いな女の手にも、あんな風に愛おしそうにキス出来るんですか？」
Aの言ってることが、つい一昨日の撮影の事だとすぐに分かった。
「貴方の本心が知りたい…」
眉を八の字にして寄せている、困ったような顔。
Aにも気付かれてたんだ。
この抑えきれない想いの存在に。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月22日 22時
