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剛典「…眠いの？」
「んー…」
こっくりこっくりと、瞼が重くて、首が横に揺れる。
髪の毛が剛典の腕に触ったらしく静かに聞いてきて。
「……」
剛典「は。」
気が付いたら上半身の全体重を剛典に預けてた。
(あったかい…)
昼間の撮影の時も思ったけど、剛典は暖かい。
そのままズルズルと身体が倒れてって、結局膝枕してもらう形で収まった。
直人「岩ちゃんうらやま〜」
剛典「代わりますか？」
健二郎「うわ！岩ちゃんなんで？！なんでそうなってん！」
裕太「岩さんずりぃ！A〜、こっちおいでぇ〜 俺が優しく」
健二郎「お前は黙っときぃ！」
ドゴッ！
裕太「ぐはあ！」
だから、うるさいんだってば。
なんやかんや皆の声で意識を完全に手放すことはなくて。
“しね”
先ほど電話で言われた短い言葉。
聞き覚えがあるようなないような…女の人の声だった。
週刊誌のことで、一部の人が私の事をバッシングしてる事は知っていた。
どこかで私の電話番号漏れちゃったのかな。
でも、そんな中でも私の事を応援してくれているファンの人たちが沢山いて。
メンバーと上手くいっていない時から、ステージに立つ私を支えてくれていたかけがえのない存在。
…ーーずっと、嘘ついたままで良いのかな。
LDHの広報部の人達は、私達メンバーに 週刊誌の事については一切触れないようにとキツく言い聞かせてきた。
過去をうやむやにし、今までと同じように活動していくことを望んでいるらしい。
でも私にとってはファンの皆は、メンバーと同じくらい大切で大好きな存在で。
メンバーに過去を打ち明けた今、同じようにファンにも本当の私の事を知ってほしい。
それを受け入れてくれることを信じたかった。
「……ーーー、」
そのことを、メンバーに相談したかったんだけど。
襲いかかってくる睡魔には勝てなくて。
言葉にならない声を出したのを最後に、私の意識は薄れていった。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月22日 22時
