君をさがしてた。episode3 …2 (ページ27)

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広臣「何言ってんの？隆二も見てただろ、あの時のA。俺の事知りもしないのに怯えた顔してよ、レコーディング終わった後もなんも言わずに逃げた…！」

隆二「確かに初めて会った時はそうだった。でも、それからのAとは…俺らの接し方次第で今とは違う関係が築けてたんじゃないの？」

広臣「んなこと言ったって！怯えるあいつをなるべく傷付けないように避けてたこと、隆二も知ってるだろ！」

隆二「わかってるよ。そんな立場の臣が本当は一番傷付いてたのもわかってる。

だけどさ、今日、知ったんだよ。
Aは俺らが思ってるほど脆くない。
確かに臣の前で見せるAは触れたら壊れそうで、過去の傷に今も苦しめられてるけど…

でもあいつもこの3年間で、強くなったんだ。
自分に出来ること色々考えながら、一人で直向きに努力してた。

それに、今のあいつには心を許せる仲間が近くにいる。
決して表に出したくないような自分の過去をも話せるメンバーがいるんだよ。

俺も、Aのそんな存在になりたいんだよ…！
言いたいこと言い合って、支え合える仲間になりたい。

でも、俺だけじゃだめなんだ。
俺にとっては臣、お前はデビューする前から苦楽を共にした相方だから。
区別するつもりはないけどやっぱり…他のメンバーとは違う、特別な想いがあるよ。

そんなお前を置いて俺だけAの元に行くことは出来ない。

今まで間違ってたって、わかってるんだろ？
Aに壁作るの、本当は凄く辛かったんだろ？

…だったら今からだって遅くないよ。
Aに素直な臣の気持ち伝えて、Aと本当の仲間になろうよ。」

「っ、」

熱い思いを伝えてくる隆二の頬には涙が伝ってて。
俺もたまらず涙を零した。

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