君をさがしてた。episode3 …2 (ページ12)

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…ーーー♪

「え、…」

隆二「お前の、一番歌いやすいキーで歌え。

俺が合わせるから」

ずっと気になっていた、サビ手前のAのパート。亜嵐に合わせるため彼女が一番得意なキーより半音下がった音。
ある意味では一番盛り上がるこの部分の違和感を、俺なら無くせる。

俺なら、Aの為にキーを上げられる。

隆二「遠い未来だった

遠い国だった

遠い思いだった

遠い記憶だったーー…」

亜嵐の声より半音上がった俺の歌い出しに、隣りに立つAの肩が揺れる。しかし俺の思惑通り、続くAのパートはそれに合わせるように…

「あなたとはずっと前からきっと

巡り会うために愛を誓った

今までの事を全部話そう

これからの事をもっと話そう」

そう、この響きだ。

Aの声が一番綺麗に響く高さ。
俺はその心地よさに目を閉じる。

力強く、美しい。
臣ほどの想いがなくとも、俺もAの歌声が大好きだった。

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