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「そして、ATSUSHIさんにさえ話した事のなかった彼氏からのDVの事をAKIRAさんに話すと、AKIRAさんは 自分の事のように怒り悲しみ、そして私に
「このままじゃだめだ、一緒に逃げよう」と強く励ましてくれました。
それでも当時の私が逃げ出せなかったのは…多分、どんなに足掻いても 地元という狭い世界から抜け出すことが出来ないと、心に勝手に暗示をかけていたからだと思います。
私がAKIRAさんと共に逃げることを拒んでも、AKIRAさんは変わらず私のクラブに通い続けてくれました。
AKIRAさんと話してる時、踊っている時だけは、本当に全ての辛いことを忘れられる幸せな時間でした。
でも、ある時、それを彼氏の先輩に目撃され、私のささやかな幸せの時間が終わりを告げました。
その日、専門に進学してから 自分の事で一杯一杯になっていた彼から久々に呼び出されて 彼の自宅に行った私は、そのまま手脚を縛られ 監 禁されました。
…それから約三日間、暴力はほとんど止むことはありませんでした。
私の脳裏には “死” が浮かび、でも、それをかき消すようにAKIRAさんの顔が浮かんできたんです。
「このままじゃだめだ。」彼が言ってくれた言葉が私の中で強く鳴り響き、気付いた時には私は元彼こう言っていたんです。
「もう終わりにしよう。私と別れてください」
その言葉を聞いて逆上した彼は、手に持っていた美容師用のハサミで私の腹部を刺しました。
そこで、私の意識は一旦途切れたんです」
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月18日 19時
