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健二郎「A、ちょっと話ええ？」
ベランダに出ると、春から夏に変わる独特の 花や葉の香りの混じった少し湿り気のある空気に包まれる。
そんな中で 人口芝生にしゃがみ込み花壇の花を眺めていたAに声をかけると、彼女はゆっくりとこちらを向いた。
「なんですか？」
健二郎「今日はAの集まりだったのに、途中から俺の誕生日 やってくれて んー、…ありがとうな」
「あ、はい。」
俺がそれ以上話さないで黙っていたら、Aの表情は徐々に怪訝なものになっていって。
「どうしたんですか？」
健二郎「……
ーー俺、が 今までしてきた事で、Aの事ほんまに沢山傷付けたなあ…
ずっと、Aのこと、嫌いやった。
心の底からいけすかない奴やと思ってて
…でも、本当は全部勘違いだったって事にある時気付いてん。
いや、ほんま、Aにはそんな都合 微塵も関係なくて、わけもわからず俺に嫌な思いさせられて…償っても償いきれんってのはわかってる。
だけどせめて、Aのどんな事でも見守って 支えてやりたい。って、
この半年間、そう思ってAと接してきた。
っ、俺のことを苦手だというAに少しでも近付きたくて、でももうこれ以上Aのことは苦しめたくなくて…！
これ以上近付いたらA嫌がるやろかとか、こんな事したらA嬉しいかなとか、
俺なりに考えながら、いつもAの心地いい距離感を 保って接してきたつもりや！
でも、もう、…俺のこの気持ちはどうしても抑えきれん。
今後 Aを女として幸せにできる人が居るとしたら、それは俺がええねん。」
一息置いて、Aの目をしっかりと見る。
「A、お前が好きや。」
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月18日 19時
