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俊介「よっ、」
「おはようございますっ、…わざわざ迎えに来ていただかなくても良かったのに」
俊介「はあ？そりゃお前、こんないい天気なんだからドライブしたいだろ。付き合え！」
「はあ…」
新千歳空港に着いたAを待っていたのは、車の窓から顔を出した俊介。てっきりタクシーで札幌市内まで行くと思っていたAは、思わぬ彼の登場に驚きを隠せない様子。
俊介「荷物はこんだけな？よし乗れ。」
「はい、お邪魔します。」
元々日帰りの予定できたAの荷物は必要最低限のもので、俊介はそれを確認すると助手席のロックを解除してAを車に乗せた。
「ところでこれ誰の車ですか？」
俊介「ん、スタッフ〜。Aちゃんの為に借りたんだぜぇ」
「はあ、どうも。」
俊介「…しっかしこんな事してて良いのか？詩の締め切りは明日なんだろ？」
「んー、まあ、はい。それは…はい。大丈夫、です。」
俊介「ふぅん。じゃあまあ とりあえず俺行きたいとこあるから。今日夜まで平気なんだろ？」
「はい。」
俊介「おし、じゃあ しゅっぱーつ！」
「…おー。」
とても おーっというテンションではないAを乗っけて俊介が運転する車が発進した。
.
“ンモー〜”
「…牛。」
“メェェェエ〜”
「羊。」
“ヒヒィィイン！”
「馬…。」
紫色のラベンダーアイスクリームを持つAの頬を、まだ冷たくも爽やかな風が撫でた。
ーー牧場。
俊介「どうだ、心休まるだろ」
「ええ最高に。」
俊介が来たかったというのは、牧場のことだったのか。
放心状態のAの目の前をアヒルの親子が横切り、ヤギに髪の毛をむしゃむしゃと食われた。
(解せぬ。)
.
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月16日 0時
