君をさがしてた。episode1 (ページ41)

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アキラ「その彼氏ってゆうのが、酷いDV男でよ。Aが誰か他の男と話したりするのを見ただけで身体中ボロボロになるまで殴られたらしいんだ。だから男に近寄られると無意識に防衛本能が働いてたんだろうな。

しかもタチ悪いことにそいつ外面だけは良くてよ、地元では後輩を大事にする奴だったらしくて Aの同級生にもそいつに繋がってる奴がゴロゴロいて…
中学高校と常に監視されてて、逃げる事なんて出来ないって言ってたな。

そんなAが彼氏から解放される所、それが当時バイトしてたクラブだった。

俺がAに会うときはいつもそのクラブでだけだったから、まず彼氏がいるって事が衝撃だった笑まあ、ちょっとその時好きだったってのもあってな。

それから少しずつダンスや酒を通して心を開いてくれるようになって…彼氏から受けてるDVの話を聞いた時、俺はなんとしてでもこの女を救わないといけないと思った。
死ぬほど辛い話をしてるのに、絶対に泣かなかったこいつが、凄く小さくて弱い存在に見えたんだよ。」

AKIRAさんのその気持ちは少し分かる気がした。

嬉しいことも辛いことも中々表に出さないA。それを凄いと思う反面、危うく感じるところもあった。

アキラ「でもよ、そう思ったところで俺が出来ることなんてそうそうなくて。
俺にも仕事あったし、Aはクラブ以外で俺と会うの拒んだしな。だから、Aがバイト入ってる日はなるべく毎日そのクラブに通ったよ。今思うとだいぶ健気だよな。

だけどそのお陰でどんどんAの笑顔が増えてって、ついには「AKIRAさんと居ると楽しくて辛いこと全部忘れられる」って言われて…色んな意味で胸が締め付けられたね。

でもそんな日々も長くは続かなくて、Aの彼氏にクラブでバイトしてることがバレたんだ。
つーかまあ、今考えるとその時まで隠せてたのが奇跡だったんだよ。たまたま俺が来てたその日に彼氏のダチもクラブに来てたらしくて、俺とAが仲良く喋ってんのを見かけたらしい

…次の日Aは姿を消した。」

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