君をさがしてた。episode1 (ページ19)

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健二郎(…ペア二人とも捕まってる俺には関係ない奴やん)

健二郎は牢獄で一人不貞腐れていた。

この通達を知ってにわかに沸き立つ眞鍋・ダレノガレ・鈴木あやの3人には、危険を冒してでも救いに来てくれるペアがいるだろうが、肝心の自分のペアは成立直後にこの牢獄へとぶち込まれていた。

健二郎(こんなんだったらまだAとペア組んでた方がマシやんか…)

もちろんテレビ的な意味で。

俺ほんと今日使われるところあるんか？っていうくらい何もしていない健二郎。かと言ってAの活躍に期待するのはどうにも難しい気がした。

こうして三代目はバラエティーには向かないというレッテルを貼られて終わるのだろうか。健二郎の気は重くなるばかりだった。

「……。」

香椎Aは真剣に考えていた。

(山下を救いたい)

もちろんテレビ的な意味で。

確かに今の自分はペアも生き残っていて順調中の順調だが、このままではどうにも面白さに欠ける気がした。

どうゆうのが面白いとかはよくわからなかったが、今日1日自分が何をしたかと考えると…カメラの回っていないところでももちと絡んだこと以外あまり思い出せない。
(田中を救った事などとうに忘れている。)

しかし、山下のことはメンバーの中でも特に苦手だ。(やたら悪戯するし怒鳴るし睨んでくるし)
それにペアでもない人を助けるのはルール違反にならないだろうか。

そして眞鍋さんを失った今、あの的場さんが全力で鍵を奪いにかかるのは目に見えていた。

(いや、でも…！)

なにか残して帰らねば。HIROさんに与えられたこの大事な仕事の中で。

決断すると、それからの行動は早かった。

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