70 / 金平糖 ページ20
『 …、ん 』
目を覚ますと皆が私の顔を覗き込んでいた。
あれ、久住さんも居たんだ…、
未だボーッとする頭でそんなことを考えていると
崇くんが1番最初に「起きたー！」と声を上げ、
それを聞いてパッと私を見たのんちゃんと目があった。
のんちゃんの頬には涙の跡があって、
やっぱり私を庇って泣くのを我慢していたんだと気付く。
そっと手を伸ばして、
キャラメル色でふわふわの髪を撫でる。
『 のんちゃ、ありがとう 』
そう言うと、のんちゃんは目を見開いて
ポロっと一粒私の頬に涙を落とした。
少し前までは騒いでいた皆も
今は優しい顔でのんちゃんを見ていて、少しホッとした。
…でも。
起き上がって周りを見渡してみても、
重岡さんと桐山さんの姿はどこにも無い。
ガッカリして、また息を吐いた時。
目の前に、ひとつぶ差し出された金平糖。
水色に光る小さな金平糖が、大きな掌の上にひとつ。
受け取って顔を上げると、そこには藤井さんの姿が。
『 あ、ぇ…、ありがとうございます 』
青「 ん、ふふ 」
桃「 りゅうせ、」
青「 俺トイレ 」
金平糖を渡した後は満足そうに笑って
のんちゃんが呼びかけるとそそくさと楽屋から出てしまった。
桃「 …俺なんかしてもうたんかな 」
黄「 …恥ずかしかったんちゃう？
普段あんなことせんから (笑) 」
桃「 そうならええんやけど… 」
紫「 慣れへんことするからや (笑) 」
藤井さんも本当に優しい人なんだろうなあ、と
皆の会話を聞いていて思った。
…コロン。
口に入れた金平糖は凄く甘くて
冷たくて凍りかけていた心を溶かしてくれる様だった。
「 ジャニーズWESTさーん、
衣装こちらでお願いしまーす、
あ、海葉さんお隣でお着替えお願いしまーす 」
スタッフさんが言いに来てくれて、皆で返事をする。
緑「 A、行けるか…？」
『 大丈夫、行ってくるね 』
黄「 何かあったらすぐ呼ぶんやで？
俺ら、隣に居るからな 」
『 ありがとう、行ってきます 』
初めての衣装合わせ。
もちろん緊張はするけれど、
今まで会った人達が良い人ばかりだから
絶対に大丈夫だと考えていた。
それが、甘い考えだったとも気が付かずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｲﾛﾊ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます …！そう言って頂けて嬉しいです ◎ ゆっくりですが加筆して参りますので、お読み頂けたら幸いです。これからもよろしくお願い致します ◎ (2021年3月25日 0時) (
レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！更新楽しみにしていますので、無理をしない程度に頑張ってください！ (2021年3月24日 23時) (レス) id: d72ab54115 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｲﾛﾊ | 作成日時：2021年2月20日 18時
