88 / 最低なヤツ ページ38
＿＿＿＿＿ side 緑.
黄「 なあ、シゲは何をそんなに認められへんの？」
「Aが女やから？」
「態度が悪かったりとかしたん？」
「何か気に食わない事があるん？」
淳太がひとつひとつ、ゆっくり質問を投げ掛ける。
しかしどの質問にも、シゲは答えない。応えない。
橙「 …シゲ、」
照史が声を掛けると、シゲは照史を見た。
橙「 俺な、八人目なんか絶対要らん、って思っててん。
"八人目が居ったら印象が変わる"、
"女やったら余計に俺らを見る世間の目は変わる" って。
…そんで海葉さんに嫌な態度取って、
ここまで追い詰めて結果がこれ。
こんな事がしたかった訳ちゃうのになあ、
何でやろなあ、って家とか一人の時は
グルグルグルグル考えて悩んで。
あの子が一生懸命頑張ってるのも知っとるし
レッスン動画だって何度も見た。
確かに才能もあるし
上への媚びとか権力で合格したんやないのも分かる。
どれだけあの子が努力して来たかって言うのも、
何度も這い上がろうとして来たって言うのも、
ほとんど知っているはずやのに。
絶対謝ろう、そろそろ認めようなんて思っても
あの子の前に立つと醜い言葉がスラスラ出てくんねん。
俺みたいなヤツって…、最低やんな、ホンマ 」
眉を下げて自嘲的に笑う照史を見たシゲは
どこか言い難そうな、そしてどこか何かに怯える様に
瞳を震わせてただ一点を見つめていた。
…照史の瞳を、見つめていた。
彼が何を言いたいかなんて分からず、
再び病室内には静寂が訪れて
シゲの揺れる瞳は、メンバーひとりひとりを確実に捉えていた。
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ｲﾛﾊ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます …！そう言って頂けて嬉しいです ◎ ゆっくりですが加筆して参りますので、お読み頂けたら幸いです。これからもよろしくお願い致します ◎ (2021年3月25日 0時) (
レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！更新楽しみにしていますので、無理をしない程度に頑張ってください！ (2021年3月24日 23時) (レス) id: d72ab54115 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｲﾛﾊ | 作成日時：2021年2月20日 18時
