49 / 過去と未来 ページ49
それからやっとの思いで
ねぼすけ智ちゃんを起こす。
暫くすると目が覚めたのか、
「朝ごはん、ありがとうなあ」と
目を細めて笑い、頭を撫でてくれた。
…そんな私達を見て「何してんねん！」って
引き剥がしたのんちゃんは面白かったけれど。
緑「 今日最終打ち合わせやんな〜 」
ご飯を頬張りながらカレンダーを見て言う智ちゃん。
そんな智ちゃんにのんちゃんは「せやなあ」と相槌を打つ。
勿論ご飯を頬張りながら。
『 あ、そうや…、
二人ともシャワー浴びて行く、よね…？
昨日あんなに迷惑かけてもうたし… 』
桃「 …え！？ええの…？！」
緑「 申し訳無いけどまあ…、
借りられるなら借りたいな 」
『 全然、寧ろこっちが申し訳無いくらいやって…、
ちょっと待って、今着替え用意する…！』
寝室にある箪笥を開け、
従兄弟が置いていったジャージを二着引っ張り出して
二人に渡す。
二人は少し驚いた顔をしながらも
「ありがとう」と微笑んでくれて
パパっとご飯を食べてシャワーを浴びに行った。
三人分の食器を洗っていると、
スッと横から伸びて来た白くて綺麗な手。
手の方を向くと「ん、それかして」と
私の洗っていた食器を受け取ってくれる、
タオルを持った智ちゃんが。
『 あ、ありがとう 』
緑「 こちらこそ、美味かったで 」
『 ふふ、良かった 』
緑「 それと…、昨日はホンマにごめんな、
理由があったとしても、
あんなこと…絶対言うたらアカンかったと思う。
まだどっかでは俺のこと信じられてないと思うねん、
せやけど…いつか、皆で手ぇ繋いで
心から信頼し合える仲間になりたいと思ってる。
…って、こんなん言われても困るだけやん、
ごめんな 」
そこまで言うと、パッと私から顔を背けて
食器を拭き始めた智ちゃん。
そんな彼の背中がとても小さく見えて、
思わず「智ちゃん」と声を掛けた。
『 私、もう智ちゃんのこと信じ切ってるよ 』
緑「 ぇ、でも俺…あんなに 」
『 せやなあ、酷かったなあ、
結構 傷も抉られたんやで？』
緑「 …っごめん 」
『 でも、でもね、
智ちゃんがちゃんと私やって分かってくれて
嬉しいなって思った部分もあったんよ 』
緑「 …へ、」
『 もう会えへんと思ってたし、
こうして笑い合えるのが夢みたいで…、
過去はもうええよ、終わったことやもん、
やからさ…、一緒に未来が見たいの、私は 』
そう言うと智ちゃんは、潤んだ瞳のまま
私の手をギュッと握って、力強く頷いた。
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ｲﾛﾊ(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます。1番なんて恐れ多いですが、本当に嬉しいです！ありがとうございます…！亀さん更新ではありますが、お付き合い頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願い致します。 (2021年2月20日 18時) (
レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
ｲﾛﾊ(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです …！亀さん更新ですが、お付き合い頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願い致します。 (2021年2月20日 18時) (レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 以前より読ませていただいています。1番大好きな紅一点小説なので更新されるたびにドキドキとワクワク、またどのような部分に新たな言葉が加わっているのだろうと楽しみで仕方がありません。これからも応援しています！ (2021年2月12日 1時) (レス) id: c0d520ec71 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - この作品前に連載していた時から読ませていただいています！めちゃくちゃ大好きな作品で更新されるのがとても嬉しいです！頑張ってください！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 971f641812 (このIDを非表示/違反報告)
ｲﾛﾊ(プロフ) - 亜由美さん» コメントありがとうございます。亀さん更新ではありますが、お付き合い頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願い致します。 (2021年1月25日 17時) (レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｲﾛﾊ | 作成日時：2021年1月8日 0時
