冷たい夜。 ページ23
僕は、なんだか独りになりたくて…
ほぼ無意識のうちにプールへ向かっていた。
ちゃぷん…
僕は足だけを水に入れる。
『冷たい…』思わず声が出る。
けれど、それはただ感覚に過ぎなくて。
僕の心は、この水と同じ…いや、それ以上に冷え切っていて、むしろこの水が暖かく感じられるほどでもあった。
あぁ…独りなんだな…。
そう感じた時だった。
「あ。ノア君…」
聞き覚えのある声だ。
可愛いくて、けれど落ち着いていて。
その手で僕を、幾度となく引き上げてくれた。
『ずっとここに居ました…。』
彼女は心配したのだろうか。
「…どうして…一人で?」
僕を見つめて、そう問う。
答えは簡単さ。初めから決まっている。
『孤独が、僕には似合ってるんだ。』
いつしか、僕の意識は真っ黒な何かに包まれていくようだった…
その時。
パシッ
『えっ…!』
いきなり手を引かれるや否や。
バシャン!!
彼女は僕もろともプールへ飛び込んだ。
彼女は僕の手を握って離さない。
とても小さくて可愛らしい手だ。
体中びしょ濡れだが…それすらも暖かく感じられた。
『きゅ、急にどうして…』
彼女は僕を抱きしめる。
『?!?!?!』←
僕は動揺を隠せない。
「私は大切な人を孤独な気持ちになんかさせた覚えはない。」
彼女は背伸びして僕の頭を撫でてくる。
「孤独って1人の時に感じるものだよ。でも…」
彼女は僕から離れる。
「私が居るから1人じゃないよ。」
その言葉に思わず赤面しつつ、僕は彼女をプールから引き上げた。
『1人じゃないよね…僕。』
すると彼女は。
「当たり前でしょ!」
そう言った。
あぁ…。なんて暖かいんだろうか。
そうだ。
僕は独りではない。
みんなが居る。
まほちゃんが居る。
僕は、しばらく彼女と笑い合った。。。
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリン - よかったです (2019年9月30日 12時) (レス) id: 949383c68b (このIDを非表示/違反報告)
NoAH(プロフ) - マリンさん» はい。 (2019年8月16日 18時) (レス) id: 9fd65e9655 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - NoAHさん» …よかった (2019年8月16日 18時) (レス) id: 2dc0637cbc (このIDを非表示/違反報告)
NoAH(プロフ) - マリンさん» い、いや…そんなことは全く思ってないよ? (2019年8月16日 2時) (レス) id: 9fd65e9655 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - NoAHさん» 私のこといやって思ってたりしてるならすいません… (2019年8月16日 1時) (レス) id: 2dc0637cbc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:NoAH | 作成日時:2019年4月27日 23時