ただの逸般人の話 (ページ6)

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「どうする？いっちゃう？」
「やっちゃうか？」
「迂回しましょう。……あっ、本当に行きたいなら合わせますよ」

わたしの予測では最終安地は発射場付近で、スカイフックからは対極にある。ここで時間を使うのはもったいない。
と思ったが、わたしはただの助っ人だし、でしゃばりすぎるのもよくない。控えめにつけ足したが、だるさかは「いやいやIGLに従うって」と食い下がらずに銃を収めた。
威嚇射撃をしつつ、迂回して安地に向かう。キルログがぽつぽつ流れ出しており、残りのチームは十八。一部を除いてみんな慎重な動きをしている───戦闘をしたチームにはSellyのチームが含まれている、やはりSellyは血の気が多い。
後ろに敵がいないことも確認して、じわじわポジションを押し上げていく。最終収縮では確実によいポジションを押さえておきたい。
最終安地が予測できたので、最も有利をとれる高い建物に乗り込んだ。先に一チームが陣取っていたので、戦闘にもつれ込む。

「ジブ割った、前ドーム出します！」
「ブラハダウン！あと一！」
「ヴァルキリー外、外！……おっけ、やった！」

戦闘は危なげなく進み、誰一人ダウンすることなく勝利した。デスボックスを漁り、回復をしながら周囲を見る。

「二部隊見えますけど、遠いし登って来ないと思います。長物だけ注意で。だいぶ早くに着いたので、あとはチクチクしつつ待つだけですねぇ」

幸運にもデスボックスにはチャージライフルが入っていたので、ショットガンと持ち替えた。これで周囲の敵を削り、あわよくばキルポイントも狙っていきたいな。
チャージライフルを構えて敵部隊を警戒していると、周りをぴょんぴょん跳ねながらだるまさんが感心したように言った。

「なんか……これぞ大会って感じやな！プロリーグの！」
「な！俺らこんなにちゃんとしてるの初めてかもしれん」
「今までKR勢から逃げるばっかやったしな。なんかフォトナやってたころ思い出すわ」

第五段階の収縮が始まると、いよいよキルログが活発に流れ出した。部隊の数も十三まで減った。周囲の敵影も増えてきて、豆粒がぽつぽつ並んでいる。

「お、あそこ戦ってる！」

だるまさんが嬉しそうにウィングマンを撃ち始めた。リズミカルな銃声と、アーマーの割れる音。かなり遠いのに当てたらしい。すご。