たんぽぽ君は内気な彼女に一目惚れした 続々編 【我妻善逸】

八十八輪 ページ9

Aside

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やばい、建物が崩壊する



無数の帯が建物を切り刻み、そのせいで瓦礫が周囲に飛び散り視界が見えなくなる




｢音の呼吸＿伍ノ型＿鳴弦奏々｣



｢花の呼吸＿陸ノ型＿渦桃｣




血の刃と帯が混じり合い中々鬼の頸に刃を通すことができない



早く、早くしないと、炭治郎がもたない




傷を深く負っている、左手は柄に縛っておかないと握れない状況で戦い続けている。



もう、炭治郎の体は限界に等しいんだ





｢アハハハハッ、死ね死ね不細工共！！｣




『はぁはぁ…！』




いや、炭治郎だけじゃない。



私も限界なんだ。




体が不思議と軽かったはずが、今はもう重い鉄を背負っているみたいに重い



刀がスルッと手から離れた



ガシャッと刀が地面に落ちる音がする




『！！ッ』




やだ、私ったら！！早く刀を拾わないと



急いで刀に手を伸ばした時、鋭い激痛が走った



『いっ！！』



その痛みに拾おうとしていた手が一瞬止まる



だが、そんな敵の隙があるところを鬼が見過ごすわけがなく、私に向かって攻撃しようとする






｢A！！｣ ｢Aー！！｣





宇髄様と炭治郎くんが私の名前を叫ぶ




大丈夫だから、私のことは放って自分の事に集中して…！！



鬼の攻撃に備えようとした時





ビィンッッ！！




建物の屋根の上から無数のクナイが飛んできたのだ



そのクナイに私に攻撃しようとした鬼は手を止めた




＿＿＿今だ！！




気が逸れたその隙に今度こそ刀を拾い、自分の方にだけ飛んできたクナイを弾く




｢血鬼術＿跋孤跳梁｣




鬼はクナイを全て血鬼術で弾き飛ばす



『(このクナイは一体誰が…)』



チラッと上を見ると女の人が私たちを見ていた


その顔には見覚えがある



『(宇髄様に見せてもらった写真に写ってた…
雛鶴さんだ)』

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