たんぽぽ君は内気な彼女に一目惚れした 【我妻善逸】

十六輪 ※ ページ18

Aside




左手に女性の頭を持ち右手に扇を持ち
此方をニコニコしてみている上弦の弐





「あ、そこの女の子は後で俺が綺麗に食べておくからそのままの状態にしてていいよ(ﾆｺﾆｺ)
それにしてもラッキーだなぁ、"稀血"の女の子に会えるなんて」





そう、私は"稀血"なのだ。
しかも稀血の中でも希少な程の


いつも藤の花の香り袋を持って稀血だと悟られないようにしていた


だけど先程、花薫ちゃんに香り袋をあげてしまったから今手元に1つもない状態


だから早く帰らないといけなかったのにまさか
上弦に＿しかもカナエ姉さんを殺した鬼に遭遇するなんて



深呼吸をし刀を持ち直す。
正直今の自分の実力であいつを倒す事は不可能に近い


武者震いでｶﾀｶﾀ身体が震える





「わぁ！！そんなに震えて可哀想に！
大丈夫、俺が綺麗に食べてあげるから」





わざとらしく口元を覆うところがまたイラつく





『私がお前に喰べられてたまるか
カナエ姉さんを殺したお前を絶対に
地獄に葬ってやる』




そう言い放ったか否や斬り掛かる





『花の呼吸＿陸ノ型＿渦桃』





「おぉ！綺麗だねぇ！じゃあ俺も」





血鬼術＿粉凍り＿




霧状の氷が襲ってくる



呼吸を使って回避しようと考えたが本能が"血鬼術を吸うな"と告げている


空中で身体を捻り距離をとって着地し再び刀を
持ち直す





「うわぁ！凄いね！初回で俺の血鬼術を吸わなかった の君が初めてだよ！じゃあこれはどうかな？」





血鬼術＿枯園垂り





『花の呼吸＿弐ノ型＿御影梅』




たくさんの氷が襲いかかってくる


それを呼吸で全て受け流そうとするが速すぎて全ては受け流せず、ところどころ氷が身体に刺さる



痛い、冷たいｯ



氷の1つが腕に深く刺さり痛みで刀を落として
しまった





「綺麗な技だね！だけど全部は対応する事が出来なかったみたいだねぇ
可哀想に身体中、血が出ているよ〜？特に腕から大量に血が出て痛そう！俺が早く楽にさせてあげるから」



嫌な笑みを浮かべ私に言い放ちゆっくりゆっくり
近寄ってくる



確かに人並み以上に動体視力は良い方だけどカナヲには到底及ばない

カナヲだったら全て反応できたかもしれない



自分の実力不足を思い知らされている




私にはやっぱりコイツを倒すなんて無理なんじゃ……




その時だったカナエ姉さんが現れたのは＿

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