鎖 (ページ11)

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竹谷side

寝ている間に夢を見た。小さい頃の夢。

Aと遊んで、飯食って。でも何故か、あいつの顔が浮かばない。

Aの顔しか思い出せない。

何故…。

勘「八左ヱ門、学園長先生がお呼びだ。」

襖の外から勘右衛門の声がした。

竹「わかった。今行く!」

竹「俺だけか？」

勘「いや、5年と6年、先生方ももう来てるよ。利吉さんも、いらしている。」

竹「そうか。」

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
学園長室にて

竹谷side

学「ｵｯﾎﾝ。…今から、とても重大な話がある。」

ふと学園長先生が俺の方を見た。

学「八左ヱ門。どんな事実も、受け止められるか?」

竹「え？」

学園長先生は、何をおっしゃっているのだろうか…。

学「いいから答えろ。」

事実…?学園長先生がおっしゃっている事実って、なんだろう…。

でも…

竹「俺が、1人前の忍になるためになら…どんな事実でも受け止めます。」

学「そうか。」

学園長先生が咳払いをし、静かに口を開いた。

学「利吉くんや、タソガレドキ忍軍の雑渡昆奈門に協力してもらい、調査を頼んだのじゃ。」

山田「利吉と雑渡昆奈門が？なんの調査です？」

学「ここからは、利吉くんに話してもらおう。」

利「…はい。まず最初に…」

利吉さんが重々しそうに口を開いた。まるで、言ってはいけないことを言うような素振りだった。

利「我々、忍者界でも恐れられているA…。」

。

。

。

。

。

。

利「彼女の本名は、竹谷A。ここからは雑渡昆奈門の調べでわかったのですが…。

竹谷Aは十年前に死亡したとされていた、竹谷八左ヱ門、君の妹だよ。」

嘘…だ。

そんなはずがない。

だってあいつは、あいつが…。

これが、学園長先生がおっしゃっていた“事実”。

受け止められるわけ、ねぇだろ…。