転生したら猫になってた【2j3j】 (ページ3)

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3日目。

暫くして、綺麗な高級マンションが見えてきた。
ちゃんとロビーがあって、セキュリュティ完璧だ。

何なんだこの人？下世話な話、給料とかが良くないとそりゃこんなとこ住めないし。てかチャラそうな人も横に居るの気付かなかった。ずっと喋ってたらしいね。ごめん見てなかった。

名前も知らないこの人の事を、もう少し知りたいなって思った。
しかもこの人、さっきは暗くて見えなかったけど、凄く顔立ちが綺麗で。なんというか…魔性的な?
美しいとかじゃ表せない感じ。私は到底見た事無かった。
アイドルかなんかやってるのだろう。多分。

エレベーターも透明で、外を見ると綺麗な夜景が映っていた。
見惚れていると
「見んの初めて？夜景。」

初めてというか。会社のビルから見る夜景。いつも見てたけど、こんなにも綺麗に映らなかったよ。
なんか、初めて会った人に言うのはおかしいけど、
貴方と見る夜景は凄く綺麗。

こんな事普通言わないけど。ていうか言えないし。

精一杯綺麗を表現した鳴き声を出すと、

「ふは、綺麗か。良かった。」

そしてチャラそうな人も違う部屋に行ったらしい。あの人も同じマンション。やっぱり類は友を呼ぶんだね。

戸が開き、自宅とは違う綺麗な部屋が拡がっていた。
ここに住むの？？？私前世そんな徳積んで無いけどなぁ…と不安になる。
腕から下ろされた私は、部屋を歩き回る。たのしい。
黒と白で統一された部屋は、男性としては凄く綺麗にしていて。ちらほらゲーム機が見えるけど

「んー、走り回んな、風呂入ってないだろ、」

あっそっか。汚いか。ちょっと悲しいけど私も2日風呂に入ってない。それはまずい。今日は入れるんだ。人間の頃は風呂なんて二の次。食事なんて二の次。全て会社に囚われていた。

わくわくしながらお風呂に行くと、

固まった。

忘れてた。猫でも一応感覚はある。洗われるって事でしょ？？？

ちょっと待って！！！！！！！！近付かないで！！！！！
飼い主はジリジリと近づく。

「水嫌いなんは分かる。洗うのは大切だぞ。な？」

そんな動けなさそうな人なのに、しっかり捕まった。
これって犯罪？一応猫だからセーフだよね。

「おー、綺麗な毛並み。」

水が冷たい。あっやな顔してたら暖かくしてくれた。地味に優しいんだなこの人。

「やっぱ俺と似てねぇ？」

ふかふかのタオルで拭いてくれる。きもちい。

私は綺麗になった体を毛繕いしながら、飼い主をじっと見ていた。