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その日はその子と一緒に帰ることになり、駅で別れてからAのところへ行くことにした
「(あ、そういえばこの子の名前なんやったっけ…)」
同じクラスでも話したこと無かったし、あまり興味がなかったから覚えてない
「そうや、私のことはミヤって呼んでな」
「あ、うん」
ラッキーで名前わかったけど、ほんまにどうしよう
「謙杜って呼んでいいかな?」
「…………………………」
"謙杜っ!"
なぜか、Aが俺を呼ぶ声を思い出して他の子には呼んで欲しくないと思った
「ごめん、俺下の名前で呼ばれるの嫌いやねん」
「…あ、そうなんや」
あからさまな嘘ってわかったのか、空気が少し重たくなる
「あ、駅ついたな。ミヤどっちの電車?」
「私こっちやで」
まじか
同じ方向やん
「長尾くんも同じやろ?私ずっと電車の中で寝てる長尾くんヒヤヒヤしながら見ててん」
乗り過ごさへんかな、大丈夫かなって
そう言って笑ったミヤ
「そうなんや」
そんなこと言われたら誤魔化されへんし、一緒に電車に乗ることにした
A、俺が来てないの心配してないかな?
1人で寂しく待ってるAを想像して、胸が痛んだ
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作者名:ゆ | 作成日時:2022年4月25日 10時