たぶん、夢。 (ページ15)

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大谷Side

「せっかくだし、一回見に行ってみようかな～」

そう言い放ったAさんにびっくりした。

(急に爆弾発言…！
まぁ話の流れだと、こうなっちゃうか…)

「野球選手」としての自分は
まだ見せたくないと思いつつ、
野球の話をしてしまったのは自分の落ち度だ。

「…僕、チケット取りましょうか？」

せっかくなら
斎藤さんじゃなくて、僕を見てもらいたいと思った。

「え！いいの？」

(すっごい喜んでる。あ、斎藤さんが見れるからか…)

胸のあたりがモヤモヤするのを不思議に思いながら

「来週から他の球場での試合になるんで、
札幌ドームでの試合は少し先になりますけど。

それでも良ければ。」

「私はいつでも大丈夫、
大谷くんの都合が良い日に
一緒にチケット取ってくれないかな？」

「了解です、また連絡しますね。」

野球観戦の約束を取り付けた。

一緒に野球観れると勘違いしてる…？
なんか面白いから、別にいいか。

(僕が登板するところを見たら、
Aさんどんな顔するだろ？)

せっかく出来た友人が、友人でなくなってしまうかもしれない。

少し寂しい気持ちもありながら、

自分が投げてるのを見てもらえるのが嬉しいのも事実。

(帰ってトレーニング終わらせよう。)

次の約束も出来たので、
少し軽い足取りで球場のトレーニングルームへと向かった。