【Snr】秘め事。【USSS】 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:2,252 hit

8 ページ9

｢ご、ごめん。私もう行くね｣
｢あっ待って｣

慌てた様子で踵を返す彼女の腕を咄嗟に掴んでしまう
彼女の表情が険しくなる
しまった。力加減を間違えたかもしれない。
パッと離して、痛くないように袖を掴んだ

｢ごめん｣
｢大丈夫。まだ何か用事があった？｣

彼女は中学のときと変わらない笑顔をうかべた
しかし、センラは瞬時に全てを理解した
その笑顔の裏の意味を
……突き放された？
まるでもう話しかけないでとでも言われたみたいだ。
心臓が冷たくなるのを感じる

｢会いたかった｣
｢……うん、そっか｣

これ以上踏み込んでこないで。彼女の瞳がそう言っているのが伝わった
｢私も｣とは言ってくれない、それどころか、｢私は会いたくなかった｣と言われた気分だ

｢ごめんね、本当に急いでて。もういい？｣
｢……うん。ごめんな引き止めて｣
｢ううん。それじゃあね｣
｢またね｣
｢っ、バイバイ｣

焦りが入り交じった瞳と刹那的に交わり合う
Aは1度も振り返ることなく走り去っていった

また、すら許されない。
なんやそれ……なんやねん。
ぎゅっと拳を固く握り締めた
分からん。分からんことばっかりや。

｢会いたかったのは俺だけってこと…？｣

キミは、俺の事なんて忘れてしまったのか。
もう会うことはないだろう、って。
バカみたいやな。

｢あーーーー……くそっ｣

ちょっと、泣く。