【Snr】秘め事。【USSS】 (ページ8)

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どれだけ友情が輝いていても事態はいっこうに進まない
途方もない人探しなんて捗るはずもなく
時間だけが過ぎていった

そして、3週間が経ったある日のこと
センラが前を歩く女性のポケットから入れ損ねたスマホが落ちるのを目撃した
慌ててそれを拾い上げて、女性の肩をやさしく叩いた
あの、落としましたよ。
耳にイヤホンをしていたらしく落ちたことにまったく気がついていない様子
振り返った女性は頭上に｢？｣を浮かべてセンラを見つめた

時が、止まった気がした

｢＿＿＿＿＿……A、｣

彼女こそまさに。

｢？ ……………あ。うそ、センラ？｣

7年間待ち望んでいた瞬間だった
｢久しぶり｣と笑う彼女に心臓が跳ねる
こんな近くに居たなんて。灯台もと暗しとはこのことか。
慌てすぎて彼女に渡すはずのスマホを手から滑らせて落としそうになる
もちろん落とす訳にはいかないので間髪入れずキャッチ、リリース、キャッチ、リリース
ふざけていないのにアニメみたいにドギマギするセンラを見つめたままのA
なんとか掴み直して、今度こそしっかりと渡した
彼女は、ありがとう。と眉を下げて微笑んだ

｢…………あの、｣
｢うん？｣
｢いや、えっと、あのな。なんか言いたいことありすぎてちょっとまとまってない。ごめんな｣
｢変なの｣
｢笑わんといてよ｣

控えめに笑うAを噛み締めるように目に焼きつつ、センラも一緒になって笑った
本物だ。本当にAや。現実の。すごい。

｢大学は広いけど世界は狭いんやなぁ｣
｢なにそれ｣
｢なんでもない！やべ、今声出てた？｣
｢センラおかしいよ。ふふ、変！｣
｢俺もそう思う。なんか変。ふは、ほんま……｣

また会えて嬉しい。
どうしても会いたくて、伝えたくて、仕方がなかったんだ。