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｢俺も彼女欲しい…｣
｢うわ珍し。例の子はいいの？｣
｢良くないけど……。かと言ってひとりは寂しい｣
それは分かる。志麻は頷いた
もう7年になる。
この途方もない、片想いと称していいのかすら怪しい一種の執着心を孕んだ厄介な感情は、7年もの間すくすくと育っている
志麻は嘆くセンラに疑問を抱く
…？ お前モテるよな？？
｢告白されても断るくせに｣
｢だって今なんてみんな酒の勢いばっかりやん。そんなん嫌やろ｣
｢お前だって酒の勢いで断ってんだろ｣
｢お互い様ですぅ｣
モテるくせに彼女は作らない
作らないくせに彼女が欲しいと無茶を言う
それは志麻も同じだ
2人してボーッと天井を眺める
センラはたまにアイスを零して慌てた声を出している
せっかくの夏だと言うのに｢暑い｣を繰り返すだけで終わるのか。
それはいかん！
志麻は立ち上がった
｢合コンだ！！｣
｢俺の話聞いてた？酒の勢いは嫌やって｣
｢別に飲酒なしの合コンしたらいいだけやろ｣
｢そんなことできる？｣
｢できるでしょ。清い合コンとか高校生にできるならオレらにもできる｣
｢お酒で清めだしそう…｣
ぶつぶつと文句を垂れるセンラに痺れを切らして、志麻が返事を仰ぐ
実は案外乗り気なくせに！格好悪いぞ！
お見通しである
むしろセンラは実はいつか誰かがそう言ってくれないかと待っていたくらいだった
｢なに？やんない？それはそれでいいけど｣
｢や。やる！やろう！志麻くん幹事？｣
｢んなめんどくさいことしません。友人に頼みます｣
｢なんか楽しみになってきた…！｣
どんな女の子と出会えるのだろうか。
その日、センラは少し眠れなかった
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作者名：ななし | 作成日時：2021年8月12日 0時
