戦国時代が好きな彼女は武将達に愛されるそうで

肆拾陸、贈り物 ページ46

幸村からの許可を得て、毛利君の社の所でぶらぶらと歩いていたり遊んでいた。
するとﾌﾞﾂﾘ…と下から奇妙な音が聞こえ、なんだ、虫でも潰してしまったか？と思いつつ下を見てみると、下駄の鼻緒が千切れていた。
これは佐助さんと、幸村と一緒に選んで購入した大事な代物なのに。
どうしよう、と涙目でしゃがんで下駄を見ると、ふと私よりもさらに大きい影が私の頭の影を覆う。

｢…毛利君？｣
元就｢どうした。…我の前の道行を塞ぐでない｣
鼻緒が折れたから仕方ないじゃない____と伝えたいが、目元が涙で潤んでいたのでそれは無理だった。
しょうがなく下を向いたままぽつりと零す。
｢佐助さんと…幸村と一緒に選んで買った…思い出の下駄が壊れちゃったんです｣
元就｢…そうか｣

このままでは歩けない、と思い下駄を両方脱ぎ、片手に持つ。
足の裏は痛むが、仕方がない。
新しい下駄を買うまで、我慢しなくては。
すると。ぽんと何かを投げられた。
…どうやら靴らしいが、どこかで見たことのある形だ。
｢え、あの…これは？｣
元就｢この我がくれてやったというもの、気に食わぬと申すか｣
それは……毛利君と同じブーツだった。
ヒールのある、黒地のブーツ。
でも、大事なものなのでは無いのか？

｢良いんですか？大事な物では…｣
元就｢いらぬからくれてやったのだ、感謝するが良い｣
｢ありがとうございます！お揃いとか嬉しいです！大事に履きます！｣
元就｢っ…ﾌﾝｯ、いい心構えだ｣





ーーー
裏事情
捨て駒｢元就様！おめでとうございます！！｣
捨て駒2｢前進なされましたな！元就様！｣
元就｢煩い黙れ！｣
捨て駒2｢はぁあ…あの元就様にもお好きな方が出来るとは…拙者感服致しました｣
捨て駒｢その前に元就様のお心を動かされた時雨殿に関心するべき｣
元就｢散れ！｣







靴の贈り物、私の元から去れ、など意味がありますが、いい意味では自由。
元就様の解釈では「自由にしてやるから我の元へ来ないか。」
です。何言ってんだこの作者って思いますよね、そんの意味にして下さい←


20/3.30修正

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