戦国時代が好きな彼女は武将達に愛されるそうで

弐拾弐、毛利君とオクラ ページ22

毛利さんの(フルネームで様付けだと可笑しいから直した)所にいて分かった事がある。






｢毛利さん、意外とツンデレだった…｣
と、ここで自身が口にしていた事を知り手で口を塞ぐ。今のを聞かれていたら不味い。

一緒に日光浴してる時に私がくしゃみを一つしてみれば、どこかに行ったと思いきや羽織るものを持ってきたり。何故かと尋ねてみれば
元就｢駒の分際で貴様の音が我の邪魔をするからだ｣
たまたまこの会話を偶々聞いてた女中の方が
｢お顔は焦っているようでしたよ、毛利様｣
と、笑いながら私に去り際に教えてくれたのだ。

毛利さんの所に来て一週間、一応彼とは一戦してみた。結果無事私の勝利だったのだが、毛利さんは色々な策を仕掛けてきた。
負けるかと思ったが戦っている最中に、輪刀を使ってる時の動きを見てて全体的に隙が大きいと思い、隙が出来た所に背後に周り手刀して気絶させたのだが、その後凄く睨まれた。

よく良く考えれば、現代の私の後ろの席の毛利さんと何もかも同じだった。性格だったり、仕草だったり、喋り方だったり。

(毛利君って呼んでるから、こっちでも呼びやすいように、頼んでみようかな)
そんな事を考えていたら、たまたま通りかかった毛利さんが私の前を素通りした為、話しかけた。
｢毛利さん｣
元就｢何用ぞ｣

｢えっと…呼びやすいように、毛利君って呼びたいなぁ…と｣
元就｢……｣

沈黙が訪れた。
これは、切腹しろと言われるだろうか。まさかの状況に顔を青くする。
が、それは杞憂に終わった。

｢壁に頭を何回も打ち付けないで下さい！｣
あの毛利さんが、壁に頭を打ち付け始めた。
元就｢捨て駒如きが…！！｣
やはり、怒っていたようだ。何が杞憂だ、全然逆じゃないか。
私は土下座をする勢いで謝り倒した。
｢すいません！本当すいません！仲良くできたらなって思って…すいません！！｣

その後ブツブツと何かを(お経ではない)唱えた後。

元就｢良かろう｣
(いいんかい！)
私の心の中のツッコミが、辺りに思い切り響いた。



実は、今日でお別れなのだ。
戦の何かがあるらしく、私は邪魔になるだろうと判断し、次なる目的地へと行こうと考えたのだ。
ちなみに、毛利君は私が現代から来た事は知っていたそうだ。
(流石智将。何もかもお見通しか)
等と思っていると、急に長曾我部さん同様、手に植物を持たされた。
渡された物を見て、自虐ネタですか？と言いたくなったのは秘密である。




18/4/27.修正

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