WWH担当メイクの苦悩 (ページ12)

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You.side

着いた、着いてしまった、どうしよう

JN「やー、A！着いたよ！お腹すいたぁ！」

そう言って私の手をスッと握った

いや、スマートすぎるでしょ

なんでこんな余裕なわけ？
私も困らせたい！

『そうだね、お腹空いた。』

そう言ってジナに微笑み、手をギュッと握り返した

JN「は、早く入ろ！！」

ずんずん進んでいくジナの耳と首は真っ赤で

『ジナ真っ赤だね、リンゴみたい』

JN「やー！うるさいよ！！
あ、予約してたキムです、はい。」

「こちらへどうぞ～」

店員さんに案内された場所は、多分一番いい席

お店の人がいる場所からは近めの場所で
他のお客さんにもあまり近くない、こちらの話は聞こえないであろう距離
何だこの完璧な位置に作られた個室は…

JN「すごいでしょ？近すぎず遠すぎず、いい位置にあるよねㅋㅋㅋ」

『ほんと、いい位置にありすぎて怖い』

ｷｭｯｷｭｯとお得意の窓拭きを披露している彼は
メニューを取って私に渡す

好きな物頼んでいいからね

とのこと…

めちゃくちゃ高いお肉とか頼んでやろうかな

JN「めちゃくちゃ高いお肉頼んでもいいんだよ？」

……心読まれてる？？

JN「てかよく似合うね、ワンピース
白とか水色とかAは清楚系が似合うよ」

可愛いね

って笑うジナ、そう言ってくる彼も
私のためにオシャレしてきてくれて、それが嬉しくって

『うん、ありがとう。
ジナも似合うね、黒のシャツかっこいい』

咄嗟にでた、だって本当に似合ってたから

JN「ふふ、ありがとう。スカート良く似合うね、仕事ではあんまり着ないだろうけど」

『うん、走るからね、仕事してる時は』

BTSのスタッフはボケーッとなんてしてられない
何かあれば私たちは走って駆け付けて
自分の怪我や体調なんて後回し

サセンに追われている彼らを守るために体を張って盾になる

殺害予告がくれば、全員でメンバーを囲む
もし誰かが刺されても1歩も引かない

だって彼らは私たちスタッフにとって光で、希望で、大切で
守らなければならない存在だから

JN「みんなにはいつも感謝してるよ、僕らのために走ってくれて、一緒に泣いてくれて、ほんと大切な人達だよ」

目を伏せた彼は愛おしそうな目でスマホの待ち受けを見た

『この間撮った集合写真でしょ』

JN「へへ、せいかーいㅋㅋ」

よく笑う彼にも笑えない時だってある
そんな時には彼に変わって私が笑おう
彼の笑顔を見てふと思った。