再会 ページ10
◆
「…あれ、Aは？」
数十分後、動画を撮り終えたのか、居間に入ってきて不思議そうに聞いてくる研磨に、帰ったと簡潔に伝えた。
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研磨がAを特別に思っているのは、この家に来てすぐにわかった。
昨日のツイートを見て好奇心から研磨の家に訪れると、玄関には女物の靴を見つける。
研磨が家に女をあげることなんてないから、やっぱり彼女ができたのだと確信して居間へ向うと、扉を開いてすぐ、髪を緩く巻いている女の子の後ろ姿が目に入る。
どこか懐かしい雰囲気に、高校時代好きだった人物を思い浮かべれば、驚くことにAが驚いた顔で振り返った。
「…なんか、凄い久しぶり？」
そう挨拶するAは高校の卒業式の記憶とは全く違い、大人の女性の色気を醸し出している。
驚いて研磨を見れば、してやったりと良い笑顔。
その後はこっそり研磨にメッセージを送って時間を作ってもらい、俺はAと二人きりで話すことに成功した。
「知ってるか？バレー協会の広報部って」
「んー、入るのが大変ってことは知ってるよ」
そんな仕事の話をしていると、机に置かれたマグカップがふと視界に入る。
俺が研磨の家に来た際には、必ず研磨の分まで飲み物を入れるため、来客用なんて言って一つしかないソレを誰が使っているのか、毎回気になっていた。
「そのカップ、すげぇいいやつじゃん」
鎌をかけるとかじゃないけど、それを本人が知っているのか聞きたくて、俺はブランド物だと笑ってマグカップを指さす。
「あ、コレめちゃくちゃ高そうだよね」
そう言って嬉しそうにカップを持ち上げるAは、さすがコヅケン様と笑って、いつ見てもかわいいしオシャレな色！と見た目に反して幼い反応を見せる。
そんな姿を可愛らしいと思いつつ話を聞いていると、本人も来客用と聞かされているらしかった。
「こんな綺麗なカップ、
よくお客様用になんてできるなって思う」
「Aなら自分で使うもんな」
研磨は客用に何かを置いたりするようなヤツじゃない。
俺と話しながらヨイショと慣れたようにクッションを尻の下に敷くAに、それは研磨が普段俺にも触らせてくれないやつだと教えた時の反応が見たいけど、言いたくはなかった。
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西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください！ (3月30日 20時) (
レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで！！！好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年3月26日 15時
