再会 ページ9
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「てか、ピアス開けたんだな」
数分前、動画を撮ると言って仕事部屋に行った研磨のせいで、私たちは居間に二人きりになってしまう。
さっき今じゃなくてもいいって言ったばっかじゃん…と文句を言うのを我慢して、研磨の珍しい気遣いを甘んじて受け入れる。
「あ、うん。」
イヤリングだと耳痛くなるから開けたのと言うと、急に耳たぶをフニっと触られる。
思い切り肩を跳ねさせて耳を手で覆うと、少し驚いたような顔をする黒尾は、懐かしむように目を細めて笑った。
「くすぐったがり治ってないんだ」
「知ってるならやめてよ」
仕事規定内の小ぶりなピアスを確認するように触っていると、俺も開けようかなーなんて、私を見て思ってもなさそうなことを言う黒尾。
「もし開ける時は私がやってあげるよ」
「へー慣れてんだ？」
痛くしないでネ。なんておチャラける黒尾に、あまり高校の時と変わらないなと笑ってしまう。
じゃあコレ、自分で開けたんだ？と私の緩く巻いた髪を耳にかける黒尾に、咄嗟に嘘をつけない私は、元彼に開けてもらったと反射的に返事した。
「え、お前彼氏居たの？」
「何？バカにしてる？」
意外そうに話す黒尾に、大学で一瞬付き合ってた人が開けてくれたと説明すると、物好きもいたもんだなと隙あらばガキっぽいディスりを入れてくる。
「…黒尾は付き合ってる人いるの？」
私がスルーしてそう質問を投げかけると、いるよと笑う黒尾。
「へー。物好きな人もいたもんだ」
「ははっ」
仕返しのつもりで笑いながらそう言い返せば、お前全然性格変わんないな！なんて、特大ブーメランなことを言って黒尾は楽しそうに笑った。
「…彼女さん
私といること、よく思わないんじゃない？」
「まぁ、良いとは思わないだろうな」
研磨が居ると言っても部屋には実質二人きりな訳だし、私たちがそういう関係になることはないけど、黒尾の彼女としては知らないところで黒尾が女と二人きりで話しているなんて嫌なはず。
「今日は私がひとまず帰る。」
そう言って立ち上がると、驚いたように私を見上げる黒尾。
「また今度、みんながいる時に誘って？」
「…あー、うん。」
私のその言葉に微妙な顔をする黒尾と連絡先を交換した私は、研磨に何も言わずに家を出た。
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西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください！ (3月30日 20時) (
レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで！！！好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年3月26日 15時
