再会 ページ7
◇
後日、無責任な行動により炎上を起こしてしまった張本人である私は、仕事が休みの日に謝罪の品を持って研磨の家へ訪れる。
「ほんっとーにごめん！」
「別に。俺はそういうの気にしないし」
真顔でそう答える研磨に、自分でも買わないようなデパ地下のアップルパイを贈与し、私はやっぱりコレは自分で処分すると言って紙袋を受け取って大人しくカバンの中にしまう。
「YouTubeの更新、今日した？」
「まだ」
今じゃなくてもいいと言ってのんびりする研磨を見て、動画の仕事や大学の話なんかをしばらく聞いていると、ガラガラと不用心にも玄関の引き戸が開かれる音がする。
「お客さん？」
鍵ちゃんと閉めなよと自分を顧みず注意すれば、目を細くしてこちらを睨む研磨。
そっと目を逸らしてからミルクティーに付け、私はカップを静かに机に置く。
「仕事の人なら帰ろうか？」
「…いや、たぶん」
「研磨ぁ、入るぞー！」
そう言いかけた研磨の声は、勢いよく部屋の扉が開く音にかき消され、懐かしい声が部屋に響く。
「お前、彼女来てるなら言えって」
そうどこか揶揄うような口調に、まさかなと嫌な記憶で止まっている旧友を思い浮かべて振り向けば、高校卒業以来、一度も会っていなかった同期、黒尾鉄朗が立っていた。
「は、…A？」
◇
「…なんか、凄い久しぶり？」
動揺して少しおかしな挨拶になるが、恐らく目の前で目をかっぴらいている黒尾には聞こえていない。
なにも言わず、ただただ驚いたように見つめてくる黒尾に、私は研磨の方を向いてどうにかこの場を収めるように目配せする。
「ふっ」
「ちょっと。なに笑ってんの」
私と黒尾が硬直状態に陥っているのに対し、それを楽しそうに眺める研磨。
「高校卒業してから会ってないって言ってたから」
そう言って意地悪く笑う研磨に、そういえばいつしか飲んだ勢いで、バレー部のみんなに会いたーいと愚痴ったのを思い出す。
馬鹿か私は…。
黒尾とは会っていないんじゃなくて、合わせる顔がないんでしょうが…と、過去の自分を頭のなかでぶん殴った。
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西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください！ (3月30日 20時) (
レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで！！！好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年3月26日 15時
