合コン ページ22
◇
「うぅぅ浮気!ダメ!絶対!」
ドンッと黒尾を突き飛ばし、彼女いるのにダメじゃん!と黒尾の優しさのせいで勝手にダメージを食らっていると、何かボソッと呟く黒尾。
「……振られた」
「へ、?」
だぁかぁらぁ!振られたから今彼女いねーんだって!と悔しそうに声を荒らげる黒尾に、私は最低だが思い切り目を輝かせる。
「え!?私も最近振られた!!」
恋バナならぬ、失恋バナしようよ!と意味のわからないことを言って誘えば、黒尾もそこそこ出来上がっていたのか、ノリノリで一生懸命履いた革靴を脱ぎ始める。
「明日仕事は?」
「ないない。あったら合コンなんて行かない」
今日はたくさんお世話になったし、酒とおつまみは任せなさいと効率よく準備を始めると、スーツのジャケットを脱いで、ネクタイを緩める黒尾。
ジャケットを黒尾の腕から奪い取り、ハンガーにかけて吊るしてあげれば、黒尾はサンキューとお礼を言って冷蔵庫を開けていいか聞いてきた。
◇
「フラれた理由、聞きたい?」
「ウン」
先にお前の話が聞きたいと黒尾が言ったので、リクエストにお答えして副機長の最低な話を聞かせていると、黒尾は缶ビールを煽りながら笑い飛ばす。
「良いお店でフルコース食べて、
プレゼントもらって、」
私だけじゃなくて、店員さんとかも絶対プロボーズするんだろうな〜って思ってただろうに、まさか別れるために尽くされてたなんて誰が思う?
さっき作った卵焼きを食べながら、私がそう半ギレで黒尾に聞くと、変なやつに捕まってばっかだなと、黒尾は同じテンションでキレながら私の話を聞いてくれる。
「こんな良い女手放すなんて、見る目ねーよ」
そう言って目を細めて笑いかける黒尾にドキッとしてしまうが、なんて簡単な女なのかと、自分を叱責して正気を取り戻す。
「ねえ、黒尾は?」
なんで別れちゃったのと私が聞けば、黒尾は急に咳払いをし出して、テツくん。私を通して誰かを見てるでしょ!だってと裏声で再現してくれた。
「テツくんって呼ばれてたんだっ!」
「そこかよ」
だって黒尾がテツくんって呼ばれてるの意外なんだも〜んと私が笑うと、女の子は大体俺の事をテツくんと呼ぶ。とふざけて言う黒尾に、あぁ歴代彼女にも呼ばれてたんだなと私はまた勝手に傷ついた。
◇
235人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます!時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください! (3月30日 20時) (レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで!!!好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:西川あや | 作成日時:2024年3月26日 15時