マブダチ ページ15
・
「え、日本代表に選ばれてたの…?」
さすがVリーガーと言うだけあって、私の倍の量を食べる飛雄。
数ヶ月前にあったオリンピックの時、ちょうど卒論に追われててニュースも何も見れていなかったし、その後も怒涛の勢いで仕事が始まったから、まさかあの飛雄が代表になったなんて知らなかった。
「うす。」
「いや、うすじゃない。」
え、凄すぎない?
数ヶ月前まで高校生だった癖に…と、目の前で不思議そうに首を傾げる飛雄に、私は思わず呆れてしまう。
「凄いね、あの飛雄が代表メンバー…」
徹の反応見たかったなぁと、忙しさにかまけて飛雄と連絡をとっていなかったことを後悔する。
これからも海外に行く時はすりに気をつけなきゃダメだよ…なんて、先輩面で色んな手口を教えてあげれは、飛雄はとくに興味を持っていないが大人しく私の話を聞いてくれた。
「てかAさん、髪切ったんすね」
「……あーうん。」
話している最中、後ろにキツく束ねていた髪の毛を解くと、急に飛雄が箸を止めて私を見る。
食事中にごめんねと謝り、頭が痛くなってしまうことを説明して飛雄に許可をとると、髪色も変わってるから会った時にすぐ気づけませんでしたと私の髪を見ながら言った。
「そうだよね、最後に会った時は長かったもんね」
飛雄がプロ入りした時だから2年前だっけ?と聞きながら、私は手で軽く髪をといて整える。
私も前の方がお気に入りだったんだけど、社会人に相応しい格好で来いって怒られちゃって。
髪色も地毛だったのに…と、今日も同じ人に怒鳴り散らかされたのを思い出し、気持ちが沈む。
「仕事、上手くいってないんすか?」
「ちっがうし!」
ただ歳食ったオバサンに可愛いから標的にされちゃっただけだし!と開き直りつつ、本当に仕事ができるような人なら文句なんて言われないんだろうなと一人で落ち込んだ。
「……でも、飛雄と会えて元気出たよ」
代表入りしたって聞いたら私も負けてらんないね!と右腕を曲げてない力こぶしを見せつけて笑うと、飛雄も小さく笑った。
・
234人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます!時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください! (3月30日 20時) (レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで!!!好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:西川あや | 作成日時:2024年3月26日 15時