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はじまり ページ1










「A、写真撮ろっ!」


「一条さん、こっちこっち!」



卒業式が終わり、クラスごとの挨拶が終了すると、校舎でも外でも記念に写真を撮ろうと周りが騒ぎ出す。


友達や部活のチームメイト、名前すら知らないような同級生とノリで写真を撮った後、担任に捕まって最後まで仕事をさせられた私は、なんだかんだ一番長く過ごした場所である体育館へ足を運ぶ。







「あれ、」



扉を開けると片付けはとっくに終わっていて、人っ子一人おらず、なーんだと独り言を呟いて足を踏み入れると、壁に寄りかかって座る黒尾がいたことに気がついた。








「A、?」



私と同じく驚いた表情をする黒尾に、なんでいんの?と聞きながら近づくと、そっちこそと曖昧な言葉を返される。








「私はきっと、黒尾と同じ理由」



そう言って黒尾の隣に笑いながら腰を下ろすと、黒尾は眩しそうに目を細めて私のことを見た。



























「あれ、マジで笑ったよな!」


「もっ、もう無理!笑いすぎてお腹つる!」




その後、相も変わらず二人でくだらない話をして、笑いすぎて出てきた涙を拭きながら、ほんとに窒息しそうだからやめてと黒尾の肩を叩く。


はーっと一頻り笑い疲れて顔を上げると、楽しそうに笑う黒尾とピタリと視線があう。






「…」



窓から入ってくる光のせいで黒尾の瞳がキラキラしてて、綺麗だなぁとじっと覗き込んでいると、隣に座る黒尾は床に手を着いて、そっと私との距離を縮める。




あっ…と気づいた時にはもう遅くて、私は自分から体を乗り出していた。




ちゅ、と軽く唇にあたる感触が随分と長く続いて、ゆっくりと唇を離すと黒尾の驚いた顔が目の前に広がる。









「っ、」



黒尾が目を開いたまま、唇に手を当ててごめんと呟く。


やってしまったという後悔と同時に、好きな子がいると言っていた友達に手を出してしまったと我に返った私は、黒尾を跳ね除けて走って体育館を飛び出した。














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西川あや(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます!時間はかかると思いますが、必ず完結させますのでお待ちください! (3月30日 20時) (レス) id: 6a34db6c3e (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回のも、面白かったですこれからもがんばってください。 (3月30日 18時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き待ってます頑張ってくださいおうえんしちょるんで!!!好きやでこの作品 (3月29日 23時) (レス) @page21 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや | 作成日時:2024年3月26日 15時

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