東京合宿 ページ6
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「Aと仁花ちゃんの負けー！」
こっそり持ってきたトランプで、大富豪や七並べ、ババ抜きなど知っている限りのゲームを7人でやった結果、ビリとブービーになった私と仁花ちゃん。
罰ゲーム何にしようか〜とニヤニヤ笑う英里とかおりに、リカちゃん人形探してきなよーと嫌なタイミングで雪絵が言う。
リカちゃん人形をお風呂場に持って行ってからなくしてまったのが運の尽き。
トランプで負けた罰ゲームとして、仁花ちゃんと二人で探してきなさーい！と部屋を追い出された。
◇
「あああのっA先輩！」
廊下真っ暗過ぎませんか？と震え上がる仁花ちゃんに、音駒は都立だからお金ないんだよ…と、進む道を一つ一つ電気をつけて明るくする。
完全に巻き込まれ事故の彼女は本当に可哀想なので、せめてもの償いとして、怖がる仁花ちゃんに腕を貸し、内心ビビり散らかしながらも顔は平静を保った。
「…ごめんね仁花ちゃん、」
こんなことになるなんて…と私が謝ると、なかなか返事が返ってこない。
驚いて私の腕にしがみついている手を追って顔を見ると、仁花ちゃんは若干気を失ってふわふわしており、キャパオーバーしたのか、あははとうっすら笑みを浮かべていた。
「…」
この子を部屋に置いていくために引き返すことも考えるが、もう角を曲がればお風呂場がある。
申し訳ないがあと少しの辛抱だと、お風呂場までの電気をつけようと一歩踏み出せば、暗闇の中から探していたはずのリカちゃんがひょっこりと顔を出した。
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「っｷｨﾔｱｱｱ！！」
甲高い悲鳴を上げて私が腰を抜かすと、同じく後ろでパタリと崩れ落ちる仁花ちゃんは、しっかり気を失っている。
夜に人形が一人で徘徊するというホラー展開を頭の中で作り上げていると、リカちゃんの後ろから烏野の翔陽くんと12番のそばかすが特徴的な男の子が顔を出した。
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作者名：西川あや | 作成日時：2024年2月21日 11時
